機械金属部会 西岡信之 部会長
機械金属部会の三菱重工の西岡でございます。機械金属部会、今までの発表と違って業種が非常に多くございまして、それぞれの業種を簡単にご説明していきたいと思います。
業種としてはですね、ここに書いてある10個なんですけども、今回から4番目の造船を加えました。一つ従って前回より増えています。鉄鋼、それから電力および社会インフラ、プラント機器、造船、建設機械、産業用圧縮機、農業機械、各種切削工具、それから機械部品・計測機器、潤滑油・金属加工油、こういう順でご説明をしていきたいと思っています。
まず鉄鋼ですけれども、2012年、国内粗鋼の生産量としては3480万トン、11年比でマイナス1.1%。それから見掛の消費量としては2520万トン。前年比プラス0.5%、ほぼ変わらないと、こういう状況でした。生産そのものはですね、やはり世界経済の減速等によりまあ減少してしまったということです。それから輸出の方につきましては970万トンということで、前年比マイナス10%、大きく落ち込みました。
内容といたしましては、半製品が664万トン、鋼板類が194万トン、条鋼類が97万トン、二次製品が18万トン。輸入につきましては380万トン。これは大体11年と同等ということでございます。内容的には、鋼板類が203万トン、条鋼類が124万トン、二次製品が50万トンとなっております。
続いて13年、今年の展望ですけども、国内粗鋼の生産としては3600万トンを予想しております。前年比、12年比でプラス3%。それから見掛消費量の予測といたしましては2630万トン、前年比、12年比で4%増と。輸出につきましては1000万トンを予測しておりまして、去年より若干増えて、まあ11年レベルかなというところです。
輸入につきましては、13年の予測として310万トン。これはかなり減るということで、まあ政府が今関税を高くしたり、あるいは色んな保護政策を採っておりますので、これによって輸入が減ってくれるということを、まあある意味期待をしております。全般的には、まあブラジル政府の経済政策とそれから国内産業の保護で需要回復に期待をしているというところでございます。
ここにちょっと書いてないんですけども、前回もちょっと申し上げたんですが、部品の形でですね、輸入される鉄鋼というのが非常に多くてですね、まあ12年で言いますと486万トンありまして、若干11年よりは減っているんですけども、まあ500万トンレベルという、粗鋼生産に比べていただきますと非常に大きいということがお分かりいただけると思うんですが、この形を変えた鉄鋼の輸入というのが非常に大きな問題になっているということでございます。
続きまして電力、それから社会インフラですけども、12年ですが、ペトロブラスの大型投資が継続されておりまして、経済の牽引役・原動力としての波及効果は大きいと。ただまあ、ご存知のように上流部門、プレサルの開発に偏っておりまして、まあ造船等への投資というのは非常に積極的ですけども、プラント機器、まあいわゆる下流側ですね、精油所とかあるいは化学製品、こういったところへの投資は不十分と。まあ皆さんご存知のように、今現在は原油を輸出して製品のガソリン・ディーゼルオイルを輸入していると、まあこういう状態になっています。ですからまあ下流側への投資がまだ不十分という状況です。
電力につきましては、これも皆さんご存知だと思うんですけども、今水不足で、電力危機というとちょっと政府に怒られるかもしれませんけども、まあかなり危機的な状況にはなっていると。現実にはかなり効率の悪いディーゼルエンジン発電とかですね、そういうところまでまあフル稼働して賄っているという状況なんですけども、それにも関わらずガス火力はガスの供給問題と風力発電との価格差ですね、これによってまあかなり苦しい状況になっていると。入札はほぼ停止してしまったということです。
インフラ関係の大型プロジェクトにつきましては、まあ入札が軒並み遅れておりまして、高速鉄道は昨年12月の13日に入札が公示されたんですけども、入札条件が改善されておりませんで、各国共に今静観という状況です。それからサンパウロのメトロ等、都市交通案件においては遅れが目立ったという状況でした。
今年の展望ですけども、やはりペトロブラスの業績悪化というのが尾を引いておりまして、まあ大型投資の資金を借り入れで賄うというような状況になっておりまして、計画案件の予算削減、それから遅れ、こういったところが今年かなり出て来るのではないかというふうに予測をしております。ただ、とはいってもやはり、ブラジル全体の中の投資としてはやはり割合が大きいので、引き続き国内経済の牽引役として期待をしております。
ガス火力につきましては、まあやっぱり風力との価格差の問題がありまして、電力オークションのスキームの変更がないとちょっとガス火力としての応札は出ないのかなと思っております。そもそも電力オークションそのものがですね、今年本当にやるのかという問題があってですね、非常に厳しい状況がガス火力については続くだろうというふうに見ております。
それから社会インフラ関係ですけども、高速鉄道については入札条件の改善が無ければおそらく前進しないだろうと。まあこれは入札者がいないということが一回やっておりますので、まあ二度はさすがにやらないだろうと思っておりますので、どこかでおそらくブラジル政府は入札条件を変えるかあるいは入札そのものをキャンセルして形を変えるかしてくるのではないかと思っていますけれども、今現在は静観という状況です。
その他の都市交通、道路、空港、こういった社会インフラ関係は、さすがに今年は進むだろうというふうに見ていまして、現実にサンパウロの地下鉄等では若干前進が見られて、おそらく今年中には何件か入札が出て来るというふうに見ております。
次にプラント機器関係ですけども、まず昨年ですが、紙パルプ業界。この業界は国際競争力が非常にありまして、元気のある業界です。まあ輸出は世界経済の減速によって落ち込んでしまったんですけども、国内需要に支えられまして各社とも設備投資に、遅れはあるもののかなり活発に設備投資が進んだと。
それから石油化学業界につきましては、先程申し上げましたペトロブラスの業績悪化、それから建設費用の大幅予算超過、こういったところで、製油所等の設備投資に遅れが顕著に出て参りました。
鉄鋼・非鉄業界ですが、これは先程も鉄鋼のところでご説明しましたように、業界の操業度、これがまあ大体今70%ぐらいに落ちておりますので、製鉄所案件というのが軒並み中止、あるいは延期という状況になっております。
それからエタノールにつきましては、設備投資そのものが前年比30%減と急減をいたしまして、まあこの業界は今非常に景気が悪いということでございます。
今年の展望ですけども、まず紙パルプ業界につきましては、既に受注しておりますバイオマスのボイラー、こういったところが今年着工する、あるいは完成をして稼働するというような状況になって参ります。まあ去年期待をしていた大型回収ボイラー2件、あるいは3件ぐらいが今年出てくるのではないかというふうに期待をしておりまして、まあ大型の受注を期待をしております。
石油化学業界につきましては、まあペトロブラスの状況というのはおそらく今年もそんなに大きくは改善されないだろうということで、まあ予算が非常に厳しいと。商談が進まない、あるいは価格競争が激化してくるということで、まあこの業界については非常に厳しい状況が続きそうだということでございます。
それから鉄鋼・非鉄業界につきましても、まあ世界的な供給能力の過剰というのは相変わらず続くわけで、まあ13年、先程も鉄鋼のところで若干、1%とか2%の伸びを期待するというお話ございましたけども、まあ大きな設備投資に動くということはやっぱり期待薄だろうということで、この業界での受注というのも中々厳しいだろうと、今年は厳しい状況がやはり続くというふうに見ております。
エタノールについても同様でございまして、まあ業界の状況はおそらく昨年同様の、様子が変わらないということで期待薄というふうに見ております。
今回から追加しました造船ですけども、12年にはまあかなりの動きがございまして、まずペルナンブコ州、ここでは6月にI社がアトランチコ・スル造船所という造船所と造船技術の支援契約を締結しております。12月にはステップ・バイ・ステップで技師を造船所に送り込み始めまして、今現在30人超えということになっております。
それからバイア州では、5月にK社さんが、E社と書いていますが、EEP、ESTALEIRO ENSEADA DO PARAGUAÇUという会社と技術支援の契約を結びまして、さらに出資契約を締結して、7月に頭金を入金したと。同時に造船所の建設工事を始めております。それからリオ・グランデ・ド・スル州ではM社が、これは別のE社ですけど、別の造船所との資本参加を含む技術協力の交渉を開始しております。
さらに、下に造船技術協力と書いてありますが、これはブラジル政府、窓口としてSENAIになりますけども、ここから日本政府、窓口JICAに造船技術協力の依頼がございまして、機械金属部会の造船分科会として協力をしております。
今年の展望ですけども、まずペルナンブコ州についてはI社によるEASへの技術協力が継続をされます。同時に経営参加についても検討をしていくということだそうです。それからバイア州につきましては、9月以降にEEPの技術者を日本に受け入れて研修を実施いたします。
それから、来年になりますけども、K社さんの技術者をブラジルに派遣して、年末には造船所が完工する予定だということです。リオ・グランデ・ド・スル州につきましては、年内の交渉合意を目指して社内交渉を継続しているという状況です。造船の技術協力につきましては、まあ日本政府で予算措置が出来次第、一番最初におそらくペルナンブコ州から技術協力を開始するということになろうかと思います。
それから一番下にロジハブと書いてございます。これは、火曜日ですね、NHKで大きく報道されましたので、ちょっとこれを詳しくご説明したいと思うんですけども、2月の18日に研究組合の設立が正式に認可されまして、これからペトロブラスへの売り込みを図っていこうというものでございます。
これはプレサルの地図なんですけども、ここにあるのがカンポス・ベイシンと言われているやつですね。それからこっちがサントス・ベイシン。まあ、これが100キロですので、見ていただけば大体お分かりだと思うんですが、カンポス・ベイシンの方が大体100キロから150キロ陸からありまして、まあロジといいますか、人を今はヘリコプターで運んで、物資を船で運んでいると、こういう状況です。
往復で300キロ以下なのでヘリコプターで運べると。ところがこれが、これから開発が始まりますサントス・ベイシンになりますと、大体200キロから300キロございまして、陸からですね、往復でまあ600キロというと実はヘリコプターでは運べない。燃料補給ができませんので、ヘリコプターでは一回では運べないということになります。
したがってじゃあどうするのかということなんですが、一つの方法がですね、こういうふうに中間に浮体のハブを設けまして、ここまで高速船で人も物も運搬しようと。で、このハブからそれぞれ、油を取っているFPSOとかリグとかこういったところにヘリコプターで人は運ぶ。物は船で運ぶと。こういうやり方も一つあるだろうということで、この、まあロジハブと呼んでいますけど、これを開発しようというのがまあ先日報道されたこのJ-DeEP(ジェイ・ディープ)という技術研究組合の目的でございます。
メンバーとしてはここに書いてございますように、IHIさん、それからジャパン マリンユナイテッド、川重さん、それから三井造船さん、三菱重工、それから海上技術安全研究所、海事協会、日本郵船、こういったところがメンバーになっております。
組合設立の目的につきましては、まあロジハブ方式の開発ということで、実現に必要な技術の研究開発、それから市場開拓、こういったところをやろうと。で実用化の方向性、何を目指すかですけども、まあ大型浮体、それから高速船、それから着桟施設、こういったところを開発して、まあ最適な輸送、あるいは経済性の評価、安全性評価、こういったところをやって売り込みを図ろうということでございます。
報道でもございましたけども、こういうオフショアと呼ばれる分野はですね、日本は非常に遅れていまして、韓国・中国にかなり遅れをとっているというのが現状でございまして。まあそれは逆に言うと日本の造船メーカーがオフショアやらないで船ばかり造っていたということなんですけど、これから伸びていくオフショアにぜひ出ていこうと。そのターゲットとしてまずこれをやろうということでございます。
唯一その、メガフロートというのを日本で作った実績がございまして、これは羽田の空港拡張をターゲットとしてやったんですけども、大型の浮体の作った実績があるという意味ではそれがまあ日本の唯一の進んだ点かな、セールスポイントかなというふうに思っています。いずれにせよ今年中には、これをですね、ペトロブラスに売り込んでいくということになります。
それでは次に建設機械ですけども、12年につきましては、総需要台数といたしまして第1クォーターが2198台、一昨年2011年の第1クォーター比でマイナス21%。第2クォーターが2807台、同じく1クォーター比でプラス1%。第3クォーターが2677台、同じく1クォーター比でマイナス4%。第4クォーターが2701台、同じく1クォーター比でマイナス3%。まあトータルで、一番下に書いてございますが、2011年比でマイナス7%とあまり良い成績ではなかったということでございます。
全体的には農業・林業向けというのがまあ比較的好調でしたけども、公共工事、それからプロジェクト等の遅延により総需要が減退してしまったと。なお鉱山用の建設機械については、これは一昨年以来堅調に推移をしているという状況でございました。
続いて今年の展望でございますけども、一昨年が11214台、昨年12年が10383台、今年の予測としては12400台ということで、まあ約2000台の増加、2011年比でプラス11%という台数を見込んでおります。この2000台の増加のほとんどが農業省のビッグプロジェクトの台数でございますので、大体予測としてはほぼ堅いだろうというふうには見ております。
中身は、まあ農業・林業分野が引続き堅調に推移をするというふうに見ておりまして、昨年あまり良くなかったインフラ関連の需要、こういったところがまあさすがに社会インフラ関係のプロジェクトが進んで来るだろうということで、この辺も伸びてくる、従ってトータルの総需要は回復するというふうに予測をしております
続いて産業用圧縮機でございますけども、昨年、まず小型圧縮機について、全体的に売上は一昨年、11年並みでございました。食品業界につきましては、飲料業界の設備投資が堅調に進みましたけども、11年程には伸びなかったと。鶏肉、こちらについては、主として日本なんですけど、価格安等により鶏肉業界の設備投資がかなり控えられたという状況でございました。
ぺトケミ業界につきましては、ペトロブラスのプレサル案件が本格的に稼働しまして、プラットフォームの計画等が順次進んでおります。飲料業界の伸びを受けましてCO2の製造設備、冷却設備の受注が好調でございました。大型圧縮機につきましては、陸上案件、いわゆるオンショア案件につきましてはペトロブラスのプロジェクトの遅れによりまして既に受注した案件なんかにも遅れ、あるいはキャンセルの可能性なんかが出てきてしまったと。オフショア、プレサル案件ですね、こちらはGE等々他メーカーとの競争が厳しくなりまして、まあ未受注、受注ができなかったというのが昨年の実績でございました。
今年の展望でございますけども、小型圧縮機につきましては売上は昨年、つまり12年並みということを予測をしております。食品業界につきましては、まあ飲料業界では相変わらず設備投資が継続されるだろうと。まあただ参入社が増えておりますので競争は激化してくると。それから鶏肉産業につきましては回復基調にありまして、現実に1月2月、かなり引き合いも出ておりまして、今年は投資の回復を期待しております。
ペトケミ業界につきましては、プレサル案件で予定案件を失注いたしまして、ちょっと売上が落ちそうだなというところでございます。それ以外のケミカル業界では先程のガス圧縮装置、あるいはチラー、こういったところの受注に期待をしていると。大型圧縮機につきましては、陸上案件についてはペトロブラスの予算引締めにより厳しい状況が続くだろうと見ております。
それからプレサル案件、オフショアにつきましては、ペトロブラス以外からの受注、まあシェルとかそういうところですね、からの受注を目指しているんですけども、やはりこれはプレサル全般にですね、高い国産率というのが要求されておりますので、大体65から70%ですね、これへの対応というのが大きなキーになってくるというのが今年の予想でございます。
続いて農業機械でございますけれども、昨年、エンジンビジネスにつきましては台数でプラス9%、金額でプラス5%と、まあほぼ11年並みと。内容的には国産の、国産と言う意味はブラジルで製造している北東部向けの単気筒エンジンの販売が回復をいたしまして、米作用の多気筒エンジンの販売も2010年並みに回復をしたと。
それからトラクタービジネスにつきましては11年比で台数でプラス1%とほぼ同レベルになっております。トラクターにつきましては、まあ小規模農家支援策というのがありまして、低利融資が受けられるわけですけども、これも大分長い間やっておりますので、まあ小型トラクターというのはほぼ農家に行き渡ったのかなという感じがございます。小型建機のビジネスにつきましては11年比で台数でマイナス1%、ほぼ同レベルということでございます。
それから13年、今年の展望につきましては、エンジンビジネスでは、すいません下期と書いてありますが、2013年ですけども、今年のエンジン販売は景気回復を前提といたしまして、発電機向けを中心にまあ若干回復をするんではないかという期待をしております。ただ単気筒エンジンにつきましては中国製の安いエンジンが入ってきておりますので、まあ中々厳しい状況が続くんではないかと考えております。
トラクタービジネスにつきましては、今年の販売は昨年とほぼ同じレベルを予測しております。小型建機ビジネスにつきましては、さすがに来年に迫ったワールドカップに向けていよいよ工事も始まるだろうということで、20%程度の伸びを期待をしております。
次に各種切削工具ですけども、まず昨年の切削工具につきましては、まあ先程自動車部会の方から発表がありましたけども、トラック・大型車の減、それから二輪車の減、こういったところが大きく来まして、2011年並み、あるいは2011年比で減少したという会社さんが多うございました。
耐摩耗工具、鉱山用工具のみがまあ堅調に推移をしたというところでございます。ねじ切り工具につきましてはアメリカでの販売好調が国内向けの不振をカバーしまして11年比でプラス7%と進捗をいたしました。それからプラスチック成型品、これは車に使うやつですけども、産業用のプラスチック成型品はやはり大型トラックの減が響きましてマイナス20%と。それから一般消費者向けのセラミック、これは11年比でプラス20%と伸びたということでございます。
今年、13年でございますが、切削工具につきましては政府の景気対策によって景気が回復することをまあ期待を込めてですね、11年並みから25ないし30%の増加を期待しております。耐摩耗工具、それから鉱山用工具、これらはまあ堅調に推移するんではないかと。耐摩耗工具は若干減少を予測しています。
それからねじ切り工具につきましては、アメリカ向けの輸出はまあ昨年並み、国内販売は回復ということでプラス7%の伸びを期待しております。プラスチック成型品につきましては、産業用プラスチック成型品は、まあトラックの戻りを期待いたしましてプラス25%。一般消費者向けセラミックはプラス15%を期待しています。
次に機械部品・計測器具ですが、チェーン、これは11年比でプラス17%の伸び。まあ代理店経由のアフターマーケット向けの販売と、在庫を置いての本格的な在庫販売の開始で増加をいたしました。軸受につきましては、自動車向けは堅調でございましたけども、まあ先程自動車部会から発表ありましたように、二輪車向けが、二輪車の製造台数が非常に落ち込みましたのでこれにより売上が減少をしております。
農機・産業モータ、これらは11年とほぼ同レベルで堅調に推移をいたしました。メンテナンス用はかなり低迷をいたしまして、価格も低下してきたと。それから計測器具につきましては、まあ前半は良かったんですが年の後半に失速いたしまして、結果的に11年比でマイナス2%。SENAIなんかの教育機関向けでは健闘をしたという状況でした。
13年の展望ですけども、チェーンにつきましては製鉄、食品包装等特定業界の補修用ですね、取り換え用の需要の取り込みと、それから新しい顧客の攻略でさらなる販売台数を見込んでおります。軸受につきましては、自動車向けは堅調に推移すると見ておりますけれども、二輪車の製造が中々回復をしないんではないかということでこれは期待薄と。
農機・産業モータ向けは横ばい、あるいは年後半から少し上向いてくるかなというふうに予測しております。メンテナンス用は相変わらず低迷、価格も厳しいという状況が続くだろうと。計測器具につきましては、自動車業界の着実な投資を見込んで13年は若干の好転を期待しております。
最後に潤滑油・金属加工油ですが、12年につきましては、まず潤滑油は市場全体としては11年比プラス3%とほぼ前年並みをキープ。分野別には大型ディーゼル用がプラス7%の伸び、自動車・バイク用がプラス3%、駆動系が±0、工業向けが±0、グリースがマイナス1%、まあこういった伸びになっております。金属加工油につきましては11年度比マイナス10%と落ち込みました。これは主要顧客であります自動車部品製造業で、自動車販売は伸びたものの生産量が減少したために販売量が減ったということでございます。
13年につきましては、潤滑油で、やはりバイクの需要低迷というのがマイナス要因でございますけども、自動車販売の好調が継続するということを前提として全体としてGDP並み、プラス3%の伸びを予測しております。金属加工油につきましては昨年比プラス10%を期待しております。これはまあ自動車の生産増加が計画されていますけども、まあ大きな伸びは期待できないということと、まあそういう意味では自動車向けは現状維持。ただ新しい顧客を開拓してそちらへの販売を伸ばしていこうということでございます。
それでは機械金属の部会全体としてでございますけども、まず昨年につきましては世界経済の低迷、特に中国経済の減速によりまして、ブラジル経済もGDPの成長率が1%と低迷をいたしました。特に製造業は成長率がマイナスになりまして、機械金属分野での失速というのが非常に顕著であったというふうに思います。これは、まあ先程からちょっと話に出ていますけども、やはりブラジルコストによる競争力の無さ、これが大きな原因になっていると。一方でペトロブラスの業績悪化によりまして、大規模な投資の遅れ、予算削減が行われまして、プラント機器等の受注遅れ・失注がかなり目立ちました。
また社会インフラ投資についても、まあ政府の発表というのは非常に派手に、PAC2だなんだかんだと非常に派手に行われるんですけども、実際の投資が動き出したケースというのはまあほとんどなかったと。したがって、いわゆる機械金属業界への操業度の寄与というのがあまりなかったという状況でございました。ただ、日本造船界のブラジル進出が本格化したというのがまあ良いニュースだったかなというふうに思います。
今年につきましては、まあブラジル経済が急成長するという可能性はほとんどないだろうと。したがって低成長、先程から3%という数字が出ていますけども、その程度の成長が継続するものと推測をしております。したがって概ね各社共に昨年並み、あるいは良くて、まあ12年が落ち込んでそれをカバーして11年レベルへの回復、こういったところを各社ともにを予測をしております。さらにペトロブラスの業績悪化によりまして、ペトロブラスの設備投資が更に活発になるという可能性もあまりないのかなと思っておりまして、まあペトロブラス向けの受注が低迷する可能性がかなりあると。
さすがにただ政府による社会インフラ投資というのは、まあ計画の実現性というのがブラジル経済全体にとっても活性化の大きなポイントになると思いますけども、この分野ではさすがに色々今年は進むだろうというふうに見ておりまして、まあ都市交通その他で大型受注の可能性がございます。さらに造船関係では去年始まった技術協力等が本格化して、その成果が具体的に出てくるのではないかというふうに期待をしております。
以上でございます。ありがとうございました。
司会
西岡部会長どうもありがとうございました。質問ございますでしょうか。じゃあ特にありませんでしたら、前半の最後ですね、電気電子部会の篠原部会長、よろしくお願いいたします。あの、時間は決して押しておりませんが、貯金は5分だけでございますので、よろしくお願いいたします。