ブラジルにおいては、複雑な税制、労働・雇用面での過剰な保護措置、治安の改善といった問題がブラジルコストとして、従来から指摘されており、ビジネス環境の改善が求められている。
税制では56種類の税金があり、GDP比37.37%に達する高負担の重税、制度が頻繁に変ることなどが問題とされ、企業への負担が大きい税制コスト
労働・雇用では、給与・役職などの面で、被雇用者があまりにも優遇されており、また高い社会保障費用や頻繁に発生する労働訴訟など硬直的な時代遅れの労働法などが問題となっている労働コスト
治安対策として警備会社からの警備員の派遣、警備システム構築、防弾車購入などの治安コスト
高額な融資金利や手数料代などの金融コスト、
道路、港湾設備の不備や港湾ストなどによる経費や時間のロスによるインフラコスト
鉄道網が発達しておらず、高いトラック輸送による高い物流コスト
人の移動では、出張、就労、永住の3種類のビザがあるが、取得期間の短縮、有効期間の柔軟化(ブラジルの就労ビザの更新は1回だけで、最長4年:2年+2年 まで)、発給条件の緩和(ブラジルにおける永久ビザの取得のため、1人20万ドルの費用が必要)などの改善が必要なビザコスト
税負担金・社会負担金のブラジルコストの一例
連邦税 |
所得税 |
IR |
実質所得への課税、税率15%、27.5% |
法人税 |
IRPJ |
課税対象利益が月額2万レアル以下は15%、以上は25% |
工業製品税 |
IPI |
輸入工業品の通関、製造施設からの製品拠出に課税 |
輸入税 |
II |
メルコスールの対外共通関税(TEC) |
輸出税 |
IE |
ある商品の国内供給不足が起きた時に課税 |
農地所有税 |
ITR |
市街地外の不動産に課税 |
金融取引税 |
IOF |
金融機関・保健会社による信用取引、為替取引にも課税 |
州税 |
商品流通サービス税 |
ICMS |
付加価値税の一種、サンパウロ州では18~25% |
自動車保有税 |
IPVA |
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市税 |
都市不動産所有税 |
IPTU |
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生存者間不動産譲与税 |
ITBI |
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サービス税 |
ISS |
薬務提供を行なう邦人・個人の受け取り価値に課税 |
社会負担金 |
社会保険融資負担 |
COFINS |
前サービス・商品の相売上げ対象に3%か7.6%課税 |
社会統合計画 |
PIS |
1.65% |
公務員厚生年金 |
PASEP |
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暫定金融取引税 |
CPMF |
現金・小切手振出に一定割合で課税 |
社会寄付金 |
CSLL |
国内に住所のアル法人に負担義務、税率9% |
その他 |
社会福祉負担金 |
INSS |
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金属年数補償基金 |
FGTS |
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