ブラジル繊維工業会(Abit)は、景気回復が予想を大幅に下回っている影響で、今年の繊維製品生産を前回予想の5.0%増加の70億6,000万枚から4.3%増加に下方修正している。
今年1月の今年の既製服生産は前年比2.5%増加を予想していたにも関わらず、今回は2.2%に下方修正。ブラジル地理統計院(IBGE)では、今年第1四半期の繊維製品生産は2.4%増加と発表している。
また今年第1四半期の履物及びアクセサリー生産は3.5%増加した一方で、繊維製品・履物及びアクセサリーの小売販売は、3.5%減少とブラジル地理統計院(IBGE)の統計に表れている。
今年1月の繊維製品の生産は、前年同月比9.2%増加、2月も1.1%増加した一方で、3月は2.0%減少。また今年1月の履物及びアクセサリー生産は3.7%増加したが、2月は7.0%減少、また3月も5.7%減少してブラジル繊維工業会(Abit)のフェルナンド・ピメンテル会長は生産減少傾向を心配している。
今年6月~7月にかけて開催されるサッカーのワールドカップ向けテレビ販売が好調で、衣類や履物の販売が落ちてきている上に、繊維製品輸入が急増して国内生産に打撃を与えているとフェルナンド・ピメンテル会長は指摘している。
今年4月の履物輸出は、前年同月比17.6%増加の990万足で輸出金額は9,320万ドルを記録して、3月までの6カ月連続の減少から一転して増加、今年初め4か月間の輸出は、前年同期比1.8%増加の3億4,420万ドル、輸出量も1.8%増加の4,040万足を記録している。
レアル通貨に対するドルの為替は、R$3.50を突破してレアル安の為替に拍車がかかってブラジルの履物輸出にとって価格競争力を促すが、今後は履物輸出国の為替変動に左右される。
2017年の履物輸出は、米国並びにアルゼンチン、フランス、ボリビアを中心に前年比3.2%増加の1億2,700万足を記録、しかし今年は前年比僅かな輸出増加をブラジル履物工業会(ABICALÇADOS)では予想している。(2018年5月8日付けヴァロール紙)