1.アパートの建設事情
1. ブラジルのアパートの特色と日本との違い
ご存知のように日本ではマンション、ブラジルではアパート呼ばれています。
日本でのマンション購入等は皆様が良くご存知なので省略し、ブラジルでのアパートの建築と販売の流れを大まかに説明いたします。
建築に関しては専門家の阿部部会長にお任せして、販売に関して話しをさせて頂きます。
短いサンパウロでの滞在期間中に購入される方は、あまり居られませんので一般的によく見たり聞いたりされる不動産用語を踏まえて進めていきます。
・販売、購入方法、ローンの組み方
工事の流れを見てみますと
販売するには、建築確認の許可(Alvara de Construcao)がおりて建物予定登記
(Incorporacao)をしなければ販売が出来ません。日本では国土法ですね。
販売開始 は、 Lancamentos
モデル見学 Visite Modelo Decorado
工事中 Obras Iniciadas
12月引渡し Entrega Dez 2005
即入居 Pronto Para Morar
などの言葉を見たり聞いたりされていると思います。
購入方法
4通りの方法があります。
1番目は、A Vistaです。 これはご存知ですね現金一括払いです。
2番目は、手持+FGTS FGTSは、勤務先が強制的に積み立てする退職金制度で、
勤続年限保証基金の事です。住宅購入時には降ろすことが出来ます。
通算3年以上勤務していれば住宅資金として降ろす事が出来ます。
例 月収 5,000 5年後 5×5,000=25,000R$
3番目は、ローン利用です。
最後は、販売会社での長期ローンです。60回払い、100回払いでPlano direto
よくチラシなどに書かれています。5%~10%の保険料で高くなっています。
同じアパートなのに支払い条件によって色々価格が違います。
これはこのように条件が違うからです。日本ではあまりありませんね。
情報を得るには、
新聞 エスタード・サンパウロやフォリャ デ サンパウロなどの(日曜日版)、
チラシ、看板、 街角で配布している
住宅情報誌(Guia Qual)です。 この本はポンデアスカルやブラックバスタなどの店に無料で置いています。
しかし日本と比べて宅地建物取引業法が整理されていませんので、
毎月の支払いと回数だけで、価格が無い、面積が記入していない。
などの不明な点が非常に多くて不親切です。
ローン
販売価格、収入などにより借入額、利率が違います。
一般的に、銀行によって多少の誤差がありますが、金利は12%+TR
販売価格は最高 350,000 R$までのアパート。それ以上のアパートはローンが利用できません。
この場合は、総額の70%で 245,000 R$ 15年払い 月々 3,800 R$
月収は、 12,000 R$ 必要です。
・アパートのプランニング
3 dorms 1 suite 2 vagas visite decorado
よくこんなチラシを見られる事がありますが、おわかりですか
又、こんな広告がありました。
JD. PAULISTA. 4 dts., 4 ste., closet., 4 vagas , living ,
4 ambientes ,
rico em armario , sala de almoco,? 2 dep. de empregada, excelente local ,
alto, lazer , otima planta,? aceito permuta ate 40% ,
4寝室で洗面付、クロゼット付、ガレージ4台、リビングは4空間
立派な物入れ、昼食室、女中部屋2室、すばらし場所
高い、設備が付いた良い設計、支払いの40%までは下取OK、
・入居時(建物完成時)に注意すること
- 完成検査 Habite-Se がおりているか。
- 完成後、アパート内を現場責任者と立会いしクレームがある場合は、正副二枚の要望書に書いてお互いが保管しておく。
外部は管理会社が立会いをします。
- 特別な関係で無い限り初めに契約した後、値引きの話があっても条件は変えない。
- 建設会社が銀行から資金を借りて建築しているかどうかのチェックが必要です。工程どおりできているか銀行がチェックして、その都度、出来具合により工事資金を貸出し工事をしています。値引きをするからと云われ早期入金して完成後登記をしてくれなかった例があります。
早期入金分は銀行返済では無く他に使われていて、銀行が抵当権を抜いてくれなかったのです。
- 全額支払する場合は、登記をする時に最終金を支払い入居してください。入居を急ぐと落とし穴に落ちるかもしれません。ここはブラジルですゆっくりと
- 銀行ローン利用の場合は、ローン確定時に登記する。
- 長期支払いは、最終金完済後登記します。ブラジルの会社は決して資金が完済するまでは登記はしません。
日本との違い等
高級なアパートほど内装工事は別になりオーダーしなければなりません。
床は、コンクリート打ちで、天井や壁は白のペンキ仕上のみが一般です。
アパート価格以外に床、壁、天井を自分の好みで仕上げる追加工事代が必要です。
クロゼットなどの物入れが必要です。およそ最低でも30,000~50,000必要。
それ以外に登記代(Registro),不動産取得税(ITBI)が掛かります。
不動産取得税(ITBI)は購入価格2%です。
登記時に購入価格を下げると節税になります。
2. ブラジルのアパートの建設事情
アパートのクラス分け、規模、豪華さ
規模
一般的に
ポピュラーアパート 4階建て、2部屋 30,000~100,000
中級アパート Media 8階 2~3部屋 100,000~200,000
200,000~350,000
高級アパート Alto Patorao それ以上 4部屋(1Suite 350,000以上
豪華さ
場所、建物の外観、内外の仕上げ、室内、設備、防犯、などが基準になります。
アパート選びの項目で詳しく説明させていただきます。
一番売れているアパート、場所
場所
人気のある地区はやはりJ.Paulista,Paraiso、Ibirapuera,でしょうね。
現在、販売が多い地区は
Perdizes 2DR~4DR 150,000~300,000
Morumbi 3DR~4DR 100,000~300,000
Vila Andrade(Panamby), 3DR~4DR 300,000~500,000
Vila Mariana 2DR~3DR 200,000~300,000
Saude, 2DR~3DR 100,000~200,000
どうしてたくさんのアパートの建設が多いのか
2002年9月にサンパウロ市内の都市計画法が変わりました。
いままで、土地の面積の4倍まで建てる事が出来たのに2倍から2.5倍しか建てられなくなりました。地下ガレージの面積まで延べ面積に含みましたのでほとんど一階建てぐらいしか建てられない計画でしたので、土地を持っていた建築業者や不動産業者、地主が2004年末の計画法が施工される前までに建築許可を取り今、その物件が販売や工事に着手しだしたのです。
地下ガレージの面積まで延べ面積に含むのは、今年9月の議会で中止に成りました。
以上ようなの理由で今アパートの建設が多いのです。
建築資金がない会社は、プラン付で土地販売しています。販売、建設業者は、大変難しい時期で死活問題に起こるのではないかと懸念しております。