4.アパートに多い不具合場所、補修について
1.アパートに多い不具合場所(写真・図参照)
室内天井のはがれ: |
表面の塗装だけでなく下地まではがれています。(原因:施工不良・上階からの漏水等) |
内部壁のかび: |
全面にカビ発生。(原因:外部からの漏水等) |
内部壁のはがれ: |
レンガの上に塗った左官下地のはがれ(原因:施工不良・衝撃による浮き等) |
外壁タイルのはがれ: |
タイルだけでなく下地まではがれています。(原因:施工不良・経年による収縮と漏水の繰り返し等) |
外壁のひび割れ: |
水切りのモルタルがひび割れ、雑草が生えています。(原因:経年による収縮と漏水の繰り返し等) |
屋上防水の破損: |
アンテナを固定するためアスファルト防水を貫通してボルトを打ち込んでいます。(結果として下の部屋で雨漏りがする) |
窓周りの漏水: |
窓と壁の間に水が入り塗装が剥がれしみになっている状態です。 |
窓の水切りのひび: |
この様な漏水の原因の一つとして窓の外部に起きる水切りのひび割れが多く見られます。 |
窓の取り付け不具合: |
サッシの取付け不良による漏水も結構あるようです。漏水は、入居前には壁の塗装が塗りなおされていたりするので、なかなか下見の段階で気付くのは難しいのですが、壁を触ってみて、他の場所とは違う妙な湿り気があったり、窓の下だけ新たに塗装されていたりする場合には要注意です。万が一漏水が起きてしまった場合には水の進入部を特定して、コーキング材などを充填して止水する必要がありますので、専門の業者を呼ぶ必要があります。 |
窓の錆び: |
漏水のほかには、窓が古くなって、しかも余りメンテナンスがされていないような場合には、開け閉めに苦労するという動作の問題や、見た目の悪さということが挙げられます。これは築年数が古いアパートによく使われているスチール製の雨戸で、錆が浮いてしまっている状態です。窓の動きが悪い場合は、ほこり等を丁寧に掃除した後に、ホームセンターなどで売っているシリコン系のすべり剤をスプレーするのが良いと思います。油性のものはその時は動きも良くなるのですが、ほこりや砂などがくっつきやすく、かえって動きが鈍くなるという問題が起きやすいですのでご注意下さい。 |
窓の特徴: |
ブラジルの窓と日本の窓の取り付け方にはここに挙げたような違いがあります。1番目の「捨て枠をう」という工法が、構造上日本の窓よりも漏水しやすい取付け方法だといえます。壁はレンガ若しくはコンクリートブロックで作るということから来ています。2番目の「障子が外せない」ということと3番目の「ガラスはパテで固定されている」という事は、もし万が一ガラスが割れた場合にはガラスを取り替えるのに窓を解体しなければならないということで、非常に大掛かりな作業となってしまいますのでご注意下さい。 |
窓の遮音性: |
窓の遮音性については、残念ながらブラジルの一般的な窓は日本のものと比べて遮音性は高くありません。よく「厚いガラスにしたら遮音は良くなりますか」と聞かれるのですが、この方法はお金がかかる割には、期待するほど良くならないというのが実情です。そこで、うるさくてお困りの方は、厚手のカーテンを床までたらし、ふかふかのじゅうたんを敷いてみて下さい。ガラスの厚さを代えよりもお手ごろに、ひょっとしたらよりすぐれた効果が期待できるかもしれません。一度お試し下さい。 |
2.アパートの不具合の補修について
(1)不具合は誰が補修するのか
(2)自己負担での補修工事の行い方
a)依頼先
・仕上 :内装業者
・電気 :電気工事店
・給排水:水道工事店
※一般的にはゼラドールに紹介してもらい、共用部分の改修工事で慣れている業者に頼むのが便利です。ひとつの業者で全て扱っているところもあります。
b)見積依頼
直したい場所に関し
・何を困っているか
・最後にどうなって欲しいのか
・どの程度のグレードを希望しているのかを出来れば書いたもので説明し、工事を始める前に金額を決めることが重要です。
※本当は最低3社程度から見積もりを出してもらい、比較した上で業者を決定する方が良いのですが、工事の内容によってはゼラドールの紹介業者以外では難しい場合もあります。特に普段見えない部分に関してはその傾向にあります。
c)工事はいつやってくれるのか
これが曲者です。始めに予定通りスタートしたと思っても途中でぜんぜん進まなくなることがよくあります。これは、業者が仕事を多く抱えすぎたため一つの工事ばかり手を掛ける訳にはいかなくなって人を出さなくしたことが原因と考えられます。また、住んでいる方が留守をする場合、工事の出来る日が限定されるためそれを口実に仕事が進まなくなることもあります。いずれにしても、信用と実績のある業者に依頼することが必要ですが、残念ながらこれが難しいことも事実です。