2.アパート選びのポイント
なかなか良いアパートにめぐり会うのは難しいのですが、20~30ヶ所のアパートを調べるぐらいの覚悟で行えば割合、納得いくアパートに決まると思います。
1 最初にアパート選びの方法・手段を説明します。
- アパートの情報を集めるには広告を見てリストアップ、不動産業者に電話して聞く、または口コミで得ることです。(地図は必要)
- 必ず行うことは、アパートの現物を見るためメモ帳を持って歩くこと。(場所と条件の書きこみ)
- 広告にはでていなくともアパート前に「ALUGA-SE」「VENDE-SE」がでていますので初期情報をそのアパートの管理人、守衛に聞くことです。「何寝室か、広さ、家賃、コンドミニオの金額」。
- その場ですぐに管理人がアパートを見せてくれることもありますが、普通は担当の不動産業者に電話して見学日時を決め、見せてもらいます。(まだ住んでいる場合がある)
- 見学の時はカメラ、メモ帳(間取りをスケッチする)。巻尺を持った方が良い。
- できれば同じアパートの住人の話しが聞けたら良い(静かであるか?建物・ガレージに問題無いか?)
- また、可能であれば夜間(就寝時)や、休日午前中に周辺を調べることをお勧めします(騒音やフェイラ、夜間の周辺の暗さ)
2 アパートを選ぶ4つのポイント(見どころ)
場所、建物、室内、家賃(売り値)の4つのポイントから選定の基準を考えます
[場所]
- 交通の便が良いか:メイン道路に出やすい、バス、メトロが利用しやすい、場所がわかりやすい。
- 騒音の心配が無い:道路の状況、商店、レストランの近く、工事現場の近くではない。
- 買い物が便利である。フェイラも近い。
- 日本人学校の通学路となっている。
- 建物の前が比較的空いている:窓を開けたら隣の建物が近くないか
- ガレージの車が道路へ出入りが簡単である。
[建物]
- 建物の外観が気に入ること、古くないか。
- 建物出入口に充分な防犯体制が有るか。
- 玄関ホール、サロン、来客の待合場所は充分か。
- メインエレベーター、作業用エレベーター、非常階段の動線、使いやすさ。
- 日当り、北向きが良い、西日が強いのは避ける。
[室内]
- リビング、寝室数、台所、食堂、浴室、WC、倉庫、女中室、洗濯室等必要な室が有るか、それぞれ広さは充分か。
- 洋服タンス等収納スペースは充分か
- とくに台所、洗濯室はレイアウト、収納家具等が充分で使いやすいか、換気ファンが有るか、ガス設備は良好か。
- 天井高は充分か、理想は2.7m以上。
- サッシはアルミ製、扉、鍵はしっかりしているか。
- WC、洗面台、浴槽、シャワーの金具、給排水、衛生器具、鏡は良好か。(水を流して調べる)
- TV、アンテナ、電話、照明器具、インターフォンチャイムは良好か。(スイッチを入れて調べる)
- 電灯スイッチ、配電盤に問題はないか。
- 給湯設備は問題ないか。
[家賃]
- 家賃は場所、建物レベル、室内の広さ及び設備の充実さで決まる。
- 他のアパートと比較して、納得のいく金額であること。
- いわゆる公定価格、家賃のようなものは無いので、自分で調べて、あとは家主と交渉して家賃を設定すること。
- 家賃の他にコンドミニオという公益負担金が毎月有るのでやはり納得のいく金額か調べること。
- コンドミニオは管理人、守衛、掃除人の人件費、公共スペースの電気・水料金、また、アパートの建物メンテナンス、修理費の各戸負担金である。これが高い場合があるので要注意です。
- その他支払うものは不動産税、ゴミ回収負担金、年末管理人へのプレゼント(お金)です。
3 防犯・防災上の意識で見た場合の注意点
- 周辺はあまり暗くなく、人通りがすくなく
- 鉄格子、塀、及び電気式鉄線が(ふれるとアラームが鳴る)周囲塀にある。鉄格子内から道路が良く見えること
- 守衛所が有り、門扉が二重になっていてすぐには守衛所に近づけない。またインターフォンでの対応ができること。
- 守衛所かリモコントロールでガレージの入口扉が電動コントロールされていること。
- ガレージの出入口が道路から出入りが容易である。とくに暗くないこと(出入りに手間とらないこと)
非常階段が有ること、但し、大部分は防火区画されていないため、非常階段の性能はありません。ですから、火災の時、避難や停電時の階段の昇り降りを考えたら、下の方の階に住むのが安全です。これは眺望を犠牲にすることになりますが...
4 アパートの賃貸契約のチェックポイント
気に入ったアパートが見つかり、家賃・賃貸期間が合意に達すると家主から賃貸契約書にサインを求められます。
1.そこで賃貸契約のチェックポイントは
- 契約金額(家賃)の毎年の更改はどの指数を使って行うのか。
- 契約期間と延長可能な手続きはどうなっているか。例:一般的に期間は1年か2年、延長は自動か申込みに依る。
- 罰金の規定はどうなっているのか?例えば家賃支払いの遅れ、契約違反の場合等々。
- 契約が破棄されたり、中止を申し入れる場合の条件は何か、または、借主が契約途中でアパートを出たい場合のこと。例えば3ヶ月前に文書で連絡する。違約金がつくのか、無いのか。
2.とくに注意を喚起したいところですが
(1)「現状復帰…アパート返却時の考え」はどこまでやらなければならないか
- 一番良いのは詳細に契約書に条件を書き、双方サインすることです。
- しかし、一般的には詳細なことはなく、借主の方が負担から守るため、A:入居する前にアパート内を事前チェックして不具合部分を記録する。B:借主が補修や改装する時には家主の同意書をとっておくこと
- 一般的の解釈としては、室内壁・天井のペンキ塗り、床を欠損した場合の補修程度は行うようです。また、造り付家具、照明器具、WC、台所回りはそのままで良いようです。
- すでに附設している照明器具、カーテン等を新品に変更したい場合はそれらの古い物を保管しておいて、アパートを返却する時に古い物と交換するか、そのまま残すか家主と話し合う必要があります。
(2)家具や台所機器付きアパートを借りた場合はそれらが途中故障したらどうなるか?
- これも入居する前に事前チェックして故障部分を指摘しておき、補修や引取りを家主に文書依頼しておくことです。
- それが無いと全て使用者(借主)の責任となるケースがあります。借主が補修や新品購入の責任をもたされる場合が多々ありますが、良心的な家主では、家賃と使った費用を相殺することもあるようです。
3.毎月支払うものは
- 家賃の他に公益負担金(コンドミニオ)、不動産税(IPTU)、ゴミ回収負担金、自宅で使った電気代、ガス代、ケーブルTV代です。これらは支払い証明や住居証明として使用することがあり、長年保管する必要があります。
4.古いアパートほど
- アパート全体の補修、エレベーターの補修金を各戸が負担することになり、毎月の公益負担金(コンドミニオ)が増加します。これは借主が支払うことになります。
5.その他契約書に記載されていること
- 契約者(借主)以外に第三者への又貸し、住居以外の使用それぞれ禁止されていること。
- アパートにかける火災損害保険料の負担(一般的には家主)。
- アパートの床面積、室名、附属している設備の明細。
- 家賃の支払い期日、振込み先等。