非常に高い課税率並びにコスト上昇を招く貧弱なインフラ、高金利等の要因で輸入が前年比7.5%増加した影響から、昨年の化学工業部門は259億ドルの貿易赤字を計上している。
米国からの輸入天然ガス価格は、国産の天然ガス価格よりも20%割安であり、Basf社のミシェル・メルテンス副社長は、バイア州カマサリ市からサンパウロ市までの原材料の輸送費は、距離が数倍長いヨーロッパからサンパウロ市への輸送費よりも10%高いと指摘している。
また、サンタ・カタリーナ州政府やエスピリット・サント州政府は、州内の港湾からの輸入品に対して商品流通税(ICMS)減税の優遇税制を採用し港湾利用を促しているが、両州は大消費地から遠いために国内輸送コスト高に結びついている。
ブラジル化学工業会(Abiquim)では、1990年から開始した輸入自由化政策の影響を受けて業界の1,710社が倒産、そのうちの345社の追跡調査では、国内の化学製品の価格は輸入品価格よりも高く、その影響で閉鎖を余儀なくされた企業が80%を占めていた。
昨年の化学部門の輸入は416億ドル、輸出は157億ドルに留まって259億ドルの貿易赤字を計上、昨年の石油部門のセクター別売り上げでは石油化学セクターがトップ、続いて医薬品セクター、衛生・香水・化粧品セクター、肥料セクターが続いている。
世界の化学部門の売り上げでは中国が9,030億ドルでトップ、米国が7,200億ドル、日本が3,380億ドル、ドイツが2,290億ドル、韓国が1,390億ドル、フランスが1,370億ドル、ブラジルが1,290億ドルで7位にランク入りしている。
インドは1,250億ドルで8位、イタリアは1,050億ドル、英国は940億ドル、ロシアは830億ドル、オランダは730億ドル、スペインは700億ドルであった。(2012年3月18日付けエスタード紙)