ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、化学工業部門向け特別免税措置の撤廃は、ブラジル国内の化学製品の価格競争力を削ぐために、化学業界の従業員6万人~8万人の解雇に繋がる可能性を指摘している。
化学工業部門向け特別免税措置の撤廃されれば、国内の化学工業メーカーは最終消費者に約3.0%に相当する価格転嫁を余儀なくされ、インフレ上昇に繋がるとブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。
「化学業界は、連邦政府の特別免税措置撤廃のニーズは理解できるが、免税撤廃は最善の方法ではない」と、ブラジル化学工業協会(Abiquim)ディレクターのアンドレ・コルデイロ氏は説明。化学セクターにおける社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)の免除措置撤廃の暫定措置は2日に官報で発表、現在は国会で投票が行われている。
社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)の免除措置撤廃の暫定措置は、一般消費者に対して直ちに3.65%の値上げに繋がり、税制改革で8年から10年の移行期間の課税の可能性が残された。
PIS/COFINSの免除措置撤廃措置は特に最終的な消費者のために、covid-19パンデミック予防に不可欠と考えられる必需品の保護マスク、ゲルアルコール、消毒剤などの製品の価格上昇によるインフレに繋がる可能性をブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。
ブラジルの石油化学製品の80%は原材料コストが占めており、ブラジル国内の天然ガスは国際市場の4倍以上のコストが掛かる。プラスチック原料のエチレンの国内価格は3倍かかる。
1990年のブラジルの石油化学工業界の輸入製品は、僅か7.0%を占めていたが、2006年には21.0%まで上昇、昨年は輸入製品が全体の46.0%を占めている。