ペトロブラス石油公社の小規模の暴力組織や麻薬組織カルテル、貧困層住民による石油派生品などの盗油による損害額は、年間1億5,000万レアルに達し増加傾向を示している。
過去3年間でのペトロブラスの盗油件数は3倍に増加しており、同社では損害額の増加のみならず、メキシコ石油公社(PEMEX)のパイプラインに穴をあけての盗油による火災発生での大事故発生ニュースの二の舞を防ぐために、明日7日に盗油防止プログラム「Pro Dutos」を発表する。
2016年のブラジル国内での盗油件数は72件発生に留まっていたが、昨年の盗油発生件数は、犯罪組織による盗油件数の上昇に伴って261件と急上昇、そのうちサンパウロ州は151件、リオ州は69件発生している。
盗油件数の40%はペトロブラス傘下の輸送ロジスティック会社Transpetro社の原油パイプラインからの盗油であり、盗油後は修理のために度々パイプラインの操業中止を余儀なくされる。またパイプラインから漏れ出ていた石油を採集する住民は火災発生による危険にさらされる。
盗油防止対策として、石油輸送会社代表並びに連邦警察、検察庁、防衛省、サンパウロ州知事やリオ州知事などが一堂に会して盗油防止プログラム「Pro Dutos」を発表する。(2019年6月6日付けエスタード紙)