石油化学大手のブラスケン社はペトロペルー公社とのジョイントベンチャーで、ペルー南部に総額30億ドルを投資して、石油コンビナートや天然ガスパイプライン建設計画で調印した。
国際化を進めるブラスケンと自国の天然ガスを利用した石油化学工業立ち上げで、思惑が一致した今回のプロジェクトではペルーはもとより、チリ、エクアドルやコロンビアにプラスチック樹脂の供給が可能となる。
この石油コンビナートの共同事業ではブラスケンが50%以上の株式を取得予定、ペトロペルー公社が20%、また地元のペルー企業や年金ファンドなどの参加が予定されている。
今回の石油コンビナート建設は2008年の世界金融危機前に、ペトロブラス石油公社がペルーで採掘している天然ガスを利用する計画であったが、埋蔵量が供給量を満たさないために、ペルー南部からパイプラインで天然ガスを供給するように変更となった。
パイプラインの建設は米国資本Kuntur社並びにブラジル資本オデブレヒト社が主導して完成は2016年を予定、2年後の2018年から石油コンビナートの操業を予定している。
ブラスケン社は過去2年間に米国並びにドイツで石油化学企業を買収、またメキシコでも地元のIdesa社と共同で石油コンビナートを建設中、しかし2007年に調印されたヴェネズエラのPequiven社との共同事業は、天然ガス供給問題で未だに着手されていない。
この石油化学コンビナートのプラスチック樹脂の年間生産量は100万トンが見込まれており、ペルーの年間消費量10万トンをはるかに上回るために、アンデス諸国への輸出が可能となる。(2011年11月25日付けエスタード紙)