スイス資本の大手Novartis社が2007年にブラジル国内で3億ドルを投資してワクチン製造、2012年からの操業を発表していたにも関わらず、技術開発の遅れなどで先送りされていた。
今回のワクチン製造はペルナンブーコ州の新工場でバイオテクノロジーによるワクチンを生産、2014年からの操業で同社にとっては南米では初めてのワクチン製造工場の建設となる。
Novartis社のワクチン製造工場誘致ではBRICS諸国が誘致合戦を展開していたにも関わらず、ブラジルは安定した国内経済、工業部門の特許保護政策や連邦政府の保健分野への大型投資などが誘致の要因となった。
同社では自己資金による工場建設は可能であるが、社会経済開発銀行(BNDES)とクレジットで交渉中、また連邦政府や州政府と税制恩典について話し合っている。
ブラジルのNovartis社の売上はカナダ、英国、イタリアを向いて6位に上昇、ブラジル国内ではパラナ州カンベ市、サンパウロ州タボアン・ダ・セーラ市、サンパウロ市並びにリオ州レゼンデ市に製造工場を擁している。
同社はワクチン製造部門へは2006年にChiron社を買収して参入、現在では20種類のワクチン製造で世界第5位、2010年のワクチン並びに診断部門の売上は前年比25%増加の29億ドル、グループ全体の売上は506億ドルであった。
ブラジルの民間医薬品企業のワクチン製造は伝統的ではなく、国内消費のワクチンの大半は輸入もしくはブタンタン研究所やBio-Manguinhos研究所などの政府系機関による製造である。
また国内向けワクチン生産の85%から90%は厚生省向けの販売であり、統一医療保健システムデーター(Datasus)の統計によると今年9月までに6,100万人以上がワクチン接種を受けている。
ブラジルではワクチン製造では大きな投資が行われていないが、ワクチン製造ではイタリア、英国、インド並びに米国が牽引している。(2011年10月19日付けエスタード紙)