ブラジルの公社各社が実施する工事と機械設備の調達に対する支出が、1月から8月にかけて、前年同期を大きく割り込んだ。
売上ベースでブラジル最大の公社であるペトロブラスの投資が、1―8月期、前年同期と比較してインフレ調整を加えない実質額で45億レアルも下回っており、これに伴い、国内の公社による工事と機械設備の調達に対する支出も減少した形。ペトロブラス・グループは、これら公社が実施する投資のほぼ90%を占める。
予算管理省が採用するインフレ指数のIGP-DIで金額を補正した場合には、ペトロブラスの投資の落ち込みは8月までに91億レアルに達する。
2011年の投資として予算で承認を受けた金額と比較すれば、ペトロブラスは依然として、エレトロブラスと空港管理公社インフラエロの平均的な水準を上回る。石油と天然ガス業界に対する投資、承認された予算枠の46.7%に達している。1月から8月にかけてエレトロブラスは、承認された予算枠のうち投資したのは36.6%。インフラエロはさらに低い実績で、投資計画のうち実施されたのはわずか17.5%にとどまる。公社を全体で1月から8月にかけて実施された投資を前年同期と比較すると、落ち込みは、インフレ修正を加えない実質額で、42億レアルに達した。予算枠との比較では、法的予算で見積もられていた1,080億レアルのうち44.1%がすでに投資された形。これらのデータは予算管理省が発表したもので、NGOのコンタス・アベルタスが分析した。
投資ペース
8月までの投資の累積データが発表される以前から、ペトロブラスの投資ペースが減速している兆候は確認されていた。セルジオ・ガブリエッリ総裁が7月に発表した同公社のビジネスプラン2011―2015では、当初の計画から250億レアル、投資が減額されていた。
告示によればペトロブラスは、2011年の投資予算を従来の930億レアルから847億レアルへ下方修正したことを認めた。ただし、この金額は同公社が昨年実施した総投資額を上回ると強調している。「年明けの投資パフォーマンスの縮小は、弊社の事業活動に何ら損害を与えるものではない。」と、この告示で指摘。
ペトロブラスによれば、精製能力の拡大や発電量の拡大同様、石油と天然ガス、バイオ燃料の生産拡大を見込んでいるという。同公社はさらに、投資の40%がドル建てであるため、為替相場におけるレアル高が8月までのパフォーマンスに影響したと主張。
2014年に開催されるサッカー・ワールドカップへの対応に向けた連邦政府の投資で大きな比重を持つインフラエロの場合、8月までに投資したのは2011年予算で想定された総予算22億レアルのうちわずか3億8,800万レアルにとどまる。
当初想定されていた支出の一部は、グァルーリョスとカンピーナス、ブラジリアの空港事業を将来的に担当する事業認可団体に移転される。政府のが公表した日程表では、事業認可を与えるのは2012年から。ビジネスという観点から政府は、その他の空港においても、事業認可の譲渡によって得た資金や官民パートナーシップ投資計画(PPP)に伴って支払われた資金の一部を投入することで投資能力を拡大させる意向。
さらに平均を下回る投資率の公社にはエレトロブラス・グループがあり、予算認可を受けた82億レアルのうち30億レアルを工事と機械設備の調達に支出した。(2011年10月6日付けエスタード紙)