ブラジル化学工業会(Abiquim)では加盟企業50社対象の調査によると、国内需要が好調に推移しているために、2015年までの化学・石油化学部門への投資総額は250億ドル、そのうち52億ドルは新規プロジェクト、161億ドルはすでに承認されて来年から投資を開始、34億ドルは増産向け投資となっている。
しかし原材料は輸入に頼っているために今年7月までの貿易収支は116億7,000万ドルの赤字、昨年は207億ドルの赤字を記録していた。
Abiquim工業会では貿易赤字解消するためには1,670億ドルの投資が必要と予想、エタノールを原材料とするプラスチック樹脂の生産部門には200億ドル、プレソルトの石油生産には150億ドルの投資が必要となっている。
国内企業ではペトロブラス石油公社、ヴァーレ、ブラスケン、ガルヴァーニ社、多国籍企業ではダウケミカル社、Basfや Rhodia社が大型投資を予定している。
昨年の工業向け化学製品の売上は638億ドル、医薬品199億ドル、衛生用品・化粧品・香水138億ドル、肥料112億ドル、農薬70億ドル、石鹸・洗剤77億ドル、業界全体の売上は1,302億ドルであった。
主な投資としてブラスケン社がエタノール原料使用によるポリプロピレン生産に1億7,000万レアル、Basf社がバイア州でアクリル生産に5億ユーロ、ダウケミカルがミナス州サンタ・ヴィトリアでエタノールからプラスチック樹脂の生産に15億ドル、ヴァーレ化学肥料が硫 酸 (Sulfuric acid)生産で4億6,200万レアルを投資する。(2011年8月30日付けヴァロール紙)