一般消費者の収入増加による医薬品の売上増加、民間健康保険プラン拡大、健康志向などの影響で過去数年間のブラジル医薬品業界の売り上げは拡大の一途をたどっている。
特に貧困層向け補助政策や製造業部門の投資拡大による一般消費の増加に伴って、医薬品の消費も上昇してきている北東部地域並びに中西部地域でのドラッグストアー網が拡大してきている。
医薬品後発メーカーの団体である( PRO GENERICOS)の発表によると、2015年の特許期間切れ新薬のジェネリック医薬品生産が承認されたのは35種類に達している。
ジェネリック医薬品メーカーにとって35種類の新たなジェネリック医薬品生産は、2025年までに年間平均6億1,500万レアルの売り上げ増加につながると見込まれている。
特にジェネリック医薬品メーカートップのEMS社並びにHypermarcasグループのNeo Quimica社、フランス資本 SanofiグループのMedley社では、すでに国家衛生監督庁(Anvisa)からジェネリック生産の承認を受けて生産開始している。
ブラジル国内で消費される多くの医薬品は輸入に依存しているにも関わらず、現在のドル高の為替で輸入医薬品価格が上昇して国産への切替が急務であり、2025年までの35品目のジェネリック新薬販売は17億レアル増加につながると予想されている。
2,000年以降のジェネリック医薬品販売は年平均二桁台の伸び率を記録していたにも関わらず、2月の過去12か月間の売上は前年同期比8.0%の一桁台に留まっており、またジェネリック医薬品のマーケットシェアは29.2%に上昇している。
35品目のジェネリック新薬の国産化では人件費並びに電力料金コストの上昇、連邦政府によるインフレ指数を下回る医薬品値上げの承認などの要因で、今年の国内の医薬品業界の売上は、前年比5.0%~7.0%に留まるとサンパウロ州製薬工業組合(SINDUSFARMA)のネルソン・ムソリーニ会長は予想している。
Neo Quimica社はブラジル資本Ache製薬の抗炎症剤Tandrilax類似品に相当するジェネリック新薬Torsilax を市場に投入してマーケットシェア拡大を目指している。
サンパウロ州オルトランジア市に本社を置くEMS社では、すでに国家衛生監督庁(Anvisa)から10品目のジェネリック生産承認を受けており、今後3か月間以内のジェネリック新薬販売を予定している。(2016年4月6日付けエスタード紙)