ブラスケン社にプラスティック樹脂の原材料となるナフサの70%を供給しているぺトロブラス石油公社は、同社の株式の36%を所有してブラジル建設会社大手オデブレヒト社に次ぐ大株主であるが、過去5年間に亘って続いていたナフサ卸売価格交渉で昨年12月に漸く和解している。
ブラスケン社はペトロブラスからのナフサ供給依存率を下げるために、米国産シェールガス輸入契約をEnterprise Products社と締結、カマサリ工場への15%の原料供給を行う。
バイア州カマサリ工場では今後ナフサ並びに天然ガスを原料としたFLEX生産工場に移行、リオ州ヅッケ・デ・カシアス工場に次ぐ天然ガスを使用したプラスティック樹脂向け生産工場となる。
米国内のシェールガス増産に伴って米国政府はシェールガス輸出を解禁、昨年12月からシェールガスの輸出開始、ブラジル国内の米国産シェールガス価格は輸送コストの負担にも関わらず、ブラジル国内のナフサ価格の約50%と非常に安いため生産コスト減につながる。
ペトロブラスでも主に火力発電所向けの天然ガスとして米国産シェールガス輸入を検討、ブラスケンは化学製品の国際競争力拡大するために、ペトロブラス供給のナフサ価格を大幅に下回るシェールガス輸入向けパイプライン建設に3億8,000万レアルを投資する。
現在の石油の国際コモディティ価格が1バレル当たり40ドルを割る状態では、シェールガス生産企業では採算割れになる可能性があり、石油業界関係者はシェールガスの採算ラインは55ドルと見込んでいる。
天然ガス・石油輸送事業を手掛けるTexana Energy Transfer社の2002年のパイプライン敷設総延長距離は320キロメートルであったが、昨年末にはシェ-ルガス輸送拡大に伴って11万4,000キロメートルに達し、今年は更に5万3,000キロメートルのパイプラインを敷設する予定となっている。(2016年3月21日付けエスタード紙)