連邦警察の特別捜査「ラヴァ・ジャット作戦」によるペトロブラス石油公社の汚職問題がゼネコン大手の多くの幹部逮捕の影響で、ペトロブラス関連のインフラ整備や石油コンビナート、肥料工場の建設などが軒並み中止に追い込まれている。
ブラジルは国内消費の肥料の大半を輸入に頼っているために、ペトロブラスは国内の肥料生産を引き上げるために肥料工場の建設が急務となっているにも関わらず、大手ゼネコンの参加がラヴァ・ジャット作戦の汚職問題で不可能となっているために、海外投資家の資本参加が不可欠となっている。
ペトロブラス石油公社が南マット・グロッソ州トレス・ラゴアス市に39億レアルの投資予定の化学肥料工場UFN3の建設は、コンソーシアムを組んでいるSinopec PetroleumBrasil社並びに Galvão Engenharia社が請け負っていたが、Galvão Engenharia社はラヴァ・ジャット作戦の汚職問題で捜査を受けている。
投資総額18億レアルでミナス州ウベラーバ市に建設中のペトロブラス石油公社の肥料工場UFN-Vは約30%の工事が完成、しかしミナス・ジェライス電力公社(Cemig)グループのGasmig社によるミナス州内のベッチン市とウベラーバ市を結ぶ457キロメートルのガスパイプライン敷設工事が中止に追い込まれている。
ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚でリオ石油製油所コンビナート(Comperj)の工事を請け負っている大手ゼネコンに対するペトロブラス石油公社による支払い遅延の影響で同コンビナートの建設が停滞しているにも関わらず、連邦政府は2022年の操業を目指している。
中国資本企業はリオ石油製油所コンビナートへの投資に強い意欲を示しており、またヨーロッパ並びに中国資本の海外投資家は化学肥料工場UFN3や肥料工場UFN-Vへの資本参加に注目している。(2015年8月5日付けエスタード紙)