プラスティック樹脂価格の高止まり、高い輸入関税、価格競争を失っている国内メーカーなどの要因にも関わらず、今年のプラスティック業界の売上は、昨年の売上590億レアルを6.6%上回るとブラジルプラスティック生産者協会(Abiplast)では予想している。
インフレ分を差引いた今年のプラスティック業界の実質売上は前年比1.4%増加を予想、今年のプラスティック関連投資は20億レアルとAbiplast協会では見込んでいる。
第1四半期のプラスティック関連の売上は前年同期比8.0%増加の150億レアル、3月のプラスティック生産は前月比2.0%増加の約50億レアル、プラスティック樹脂の販売は5.6%増加の130万トンであった。
第1四半期のオデブレヒトグループのブラスケン社のプラスティック樹脂の国内販売は、前年同期比6.2%増加の92万1,000トンと今後もブラジル国内での需要増加を予想している。
第1四半期のプラスティック樹脂の需要は、食品セクター、自動車セクター並びに農畜産セクターを中心に前年同期比3.0%増加の99万4,000トンとブラスケン社のカルロス・ファジガ社長は説明している。
また第1四半期のPVC需要は、好調な建設業セクターが牽引して前年同期比15.0%と大幅増加の31万1,000トンであったが、今年のGDP伸び率は4.0%、インフレを5.0%と仮定すると、自動車セクター向けのプラスティック樹脂の需要は1.0%、建設セクター向けは4.0%とそれぞれ増加が見込まれている。
今年の食品セクターのプラスティック需要は前年比5.0%増加、建設セクターは大衆住宅建設"私の家、私の暮らし"プロジェクトを中心に4.0%増加をAbiplast協会のジョゼ・リカルド・ロリス・コエーリョ会長は予想している。
ブラジルのポリプロピレンの輸入関税は、世界平均の7.0%を大幅に上回る14.0%であったが、連邦政府は昨年末にポリエチレンの輸入関税を14.0%から20.0%へ引上げたにも関わらず、輸入製品価格は国内価格よりも40%安い。
おむつや食料品向け包装紙用のポリプロピレンのブラジル国内消費は年間140万トン、第1四半期のプラスティック樹脂の貿易赤字は5億9,800万ドル、輸出は8.0%減少の3億400万ドルであった。(2013年5月23日付けヴァロール紙)