2012年の衛生用品、香水並びに化粧品の貿易収支赤字は、レアル安の為替の影響を大きく受けて、2011年の6,520万ドルから1億9,470万ドルに増加したとブラジル衛生品・香水・化粧品協会(Abihpec)は発表している。
アルゼンチンが保護貿易主義でセーフガードを強化していることも影響して、昨年の輸出は前年比4.0%減少の8億4, 200万ドル、輸入は10%増加の10億ドルであった。
中間層の増加や実質賃金の上昇に伴って付加価値の高い商品の購入傾向となっている影響で、輸入品がブラジル国内のマーケットシェアを拡大してきており、今年の貿易収支赤字は、7億ドルに達するとAbihpec協会のジョアン・カルロス・バジリオ会長は予想している。
昨年のブラジル国内の衛生用品、香水並びに化粧品の売り上げは17.3%のレアル安の為替の影響で、前年比0.3%増加の417億ドルに留まったとエウロモニター社は発表している。
衛生用品、香水並びに化粧品販売の国別ランクでは、米国が680億ドルでトップ、日本が470億ドル、ブラジルは417億ドルで3位にランク付けされており、若年層の人口が多いことや実質所得の増加に伴って、今後数年以内に日本を追い抜く可能性が指摘されている。
昨年の衛生用品、香水並びに化粧品販売の世界平均伸び率は僅かに1.4%増加、トップ10にランクされているフランス、ロシア、イタリア並びにドイツの昨年の国内販売は減少している。
世界トップ10の売上は世界全体の64%を占めているが、昨年の中国の販売は前年比12.4%増加の320億ドル、昨年の国内の化粧品メーカーの販売量は前年比3.0%増加、税引前の販売総額は15.6%増加の339億レアルであった。
昨年の化粧品価格は6.8%増加して15年ぶりにインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の5.5%を上回る6.8%増加、衛生用品価格は4.7%増加、フランチャイズを展開するO Boticário社の販売は前年比32%と大幅に増加している。
また2011年の卸売販売は前年比1.0%から昨年は28%に増加、これはインフラ整備不足によるメーカーによるトラック輸送が非常にコスト高に付くために、メーカーは小売から卸売に切り替えていることが要因となっている。(2013年4月10日付けヴァロール紙)