ブラジル化学工業会(Abiquim)では、今年の化学・石油化学部門の売上は前年比12.4%増加の2,930億レアルを予想、ドル換算では2.7%増加の1,530億ドルを予想している。
Abiquim工業会では今年の貿易赤字は、価格競争力の低下並びに輸入製品の増加などの要因で、前年比6.0%増加の281億ドルに増加すると予想、ブラジルの化学・石油化学部門の売上は、GDP比では2.5%を占めて自動車工業会の売上1,100億ドルを上回ると予想している。
Abiquim工業会のマルコス・デ・マルティ会長は、石油化学工業会の競争力強化のために連邦政府に対して減税並びにイノベーション技術開発向けインセンティブ、金利の引き下げなどを要請している。
Basf社はバイア州に5億ユーロを投資してアクリル関連の工場を建設、ブラスケン社は、アラゴアス州でPVC生産工場を建設、また南大河州に15億レアルを投資して、合成ゴム生産における重要な工業中間体であるブタジエン生産工場を建設する。
ブラスケン社のポリエチレン工場が操業開始したために、同社の樹脂生産のマーケットシェアは14%から20%に上昇、また2013年からのICMS税の一律4.0%の実施で港湾戦争が減少することも業界にとってコスト削減に結びつく。
またブラスケン社は、メキシコで30億ドルを投資して天然ガスの原材料としたポリエチレンを生産する石油化学コンビナートを建設中であり、来年の樹脂の生産伸び率は3.0%増加すると予想、しかし今年の伸び率は1.0%に届かない可能性がある。(2012年12月11日付けエスタード紙)