ブラジル電気電子工業会(Abinee)の調査によると、昨年2月時点での輸入セルラーの54%が中国製であったが、8月には85%まで上昇しており、なかには輸入価格が僅かに12ドルとコスト割れする輸入価格の製品もある。
セルラー電話の80%は半導体や液晶パネルなどコモディティパーツであり、Abinee工業会では平均製造コストは38ドル、最低製造コストは27ドルであり、中国製の輸入セルラー価格12ドルではブラジル国内メーカーにとっては価格競争では太刀打ちできないために、業界では連邦政府に調査を要請している。
2009年の輸入セルラーのブラジル国内マーケットに占めるシェアは9.0%、昨年上半期には20%に上昇、さらに昨年末には35%まで上昇していると予想、輸入セルラー5,700万台のうちで、中国製は2,000万台に達していると予想されている。
昨年1月から8月までの中国製の輸入セルラーではAlcatel One Touch社が248万台で輸入総額は8,210万ドル、Huawei社は196万台で5,040万ドル、ZTE社が234万台で4,270万ドル、この3社で中国製輸入セルラーの95%を占めていた。
ブラジルのAlcatel One Touch社のマルクス・ダニエル社長はスマートフォンではない低価格帯の輸入セルラー、大量注文による一括輸入並びに最低限の利益確保である薄利多売方式であるために、輸入価格が非常に低く抑えることができると説明している。(2012年1月20日付けエスタード紙)