電子機器の生産を請け負う電子機器受託生産(EMS)では世界最大で台湾に本社を置くFoxconn社はブラジル国内でタブレットPC、セルラー、液晶テレビやラップトップコンピューター向けデジタル・ディスプレイやアップルから「iPod」「iPhone」「iPad」の製造を委託されているために、120億ドルを投資すると発表した。
今回の大型投資で今後5年間に10万人の直接雇用が創出され、そのうちエンジニアは2万人、同社では家族を含むと40万人に達するためにインテリジェンス都市の造成を検討している。
工場建設には光ファイバー網、製品輸送ロジスティックなどのインフラ開発が必要となるが、連邦政府ではこの大型プロジェクトにブラジル企業の参加を望んでいる。
ブラジルは年間デジタル・ディスプレイを30億ドル輸入、Foxconn社は中国、日本並びに韓国に同生産委託工場を擁しているが、ブラジルはアメリカ大陸では初めての工場となる。
ブラジルへの工場建設決定には今後の世界経済を牽引するBRICsの一国であり、良質な労働力、発達したインフォメーション・テクノロジーや大きなマーケットを抱える北米やラテンアメリカ諸国に近い地理的位置などが考慮された。
ブラジル電子電気工業会(Abinee)の発表によると昨年の電気電子業界の新規雇用はワールドカップや国内経済が好調でテレビ販売が牽引して17万5,000人、今年は17万8,000人の雇用を予定、しかしFoxconnが発表した10万人雇用には疑問視している。
同社の中国の工場の従業員の勤務体系の激化でそれに伴う肉体的・精神的ストレスの増加や未発売のコンシューマ向け製品が流出しないように従業員が隔離され、外部との交流も遮断されるなど労働問題がマスコミを賑わしていた。
Foxconn社は1974年に創立、14ヵ国に130万人の従業員を擁し、ブラジル進出は2005年で7億ドルを投資して4,300人の従業員を擁してサンパウロ州やミナス州に3工場を所有、デジタル機器、セルラーやマザーボードなどを生産している。(2011年4月13日付けエスタード紙)