ブラジル金融大手のイタウグループ傘下のイタウーテッキ社は、同社の70%の株を1億レアルで沖電気に譲渡、沖電気は、中南米の現金自動預払機(ATM)市場に参入する足掛かりを築いた。
イタウーテッキ社はデスクトップ、ノートブック並びにタブレット端末のジュンジャイ工場での生産を今後6ヵ月間継続して、すでに注文を受けている9万台、9月から年末までに更に1万5,000台を生産して納入、また今後も引き続いてコンピューターのメインテナンスなどのサービスは継続する。
ブラジルやチリなどの新興国では経済発展に伴って、現金自動支払機から入金も可能なATMに需要が移行してきており、イタウーテッキのATMの生産を請け負っている沖電気は中南米での事業拡大を図る。
2010年以降のイタウーテッキの売上は15億レアル前後で推移しており、2007年の純益は1億レアルを記録したが、昨年の純益は僅かに150万レアルとコンピューターの市場価格の低下に伴って収益が圧迫されているために、コンピューターの生産から撤退する。
イタウーテッキの売上の45%はコンピューターであったが、昨年の世界のデスクトップ並びにラップトップの販売は前年比13.9%減少、昨年のブラジル国内のコンピューター価格も8.0%減少している。
昨年のイタウーテッキのコンピューター部門の売上は7億レアル、サービス部門の売上は4億4,090万レアル、ATM関連部門は4億400万レアル、7,000人対象のコンピューターメーカー調査によると、イタウーテッキ製のコンピューターの人気は10位とトップのデル社、2位のアップル、ソニー並びにHPに大きく水をあけられており、ブラジル製では Semp Toshiba社がかろうじて7位にランクされている。(2013年5月16日付けエスタード紙)