ブラジル二輪車メーカー協会(Abraciclo)では、ブラジルの国内景気回復が遅れているにも関わらず、2019年第1四半期の二輪生産並びに販売台数は予想を上回り、今年の二輪生産並びに販売台数を上方修正している。
今年第1四半期のマナウスフリーゾーンの二輪生産は、前年同期比6.6%増加の27万6,800台、また卸売販売は前年同期比15.7%増加の27万600台で二桁増加を記録、二輪新車登録台数は17.9%増加の25万8,600台となっている。
しかし今年初めの二輪輸出は、主な輸出相手国のアルゼンチンの為替危機の影響で大幅に落ち込んでおり、今年第1四半期の二輪輸出台数は、年初予想の前年同期比28%減少から41.2%減少の4万台に留まっている。
今年の二輪生産は前回予想の前年比4.2%増からか6.1%増加の110万台に上方修正、また二輪販売は、前回予想の7.7%増加から10.2%増加の106万台に上方修正されている。
今年3月の1日当たりの二輪販売は4,400台と2015年同月以降では最高の販売台数を記録、販売好調の要因として新車購入用クレジット拡大、特に民間銀行のクレジットが60%を占めているが、昨年まではメーカー系列銀行が50%以上を占めていた。
3月の二輪販売の34%はクレジット販売、コンソルシオ販売は29%、現金販売は35%を占めている。またクレジット販売の月利は1.5%~2.0%と過去最低金利を記録している。
比較的所得の低い消費者が多い二輪購入者にとって、実際の国内景気よりも購入希望者の景況感に左右される傾向があり、特に今年初めの二輪販売は北東部地域で好調に推移している。
今年の二輪販売は110万台前後が予想されているにも関わらず、ピーク時の2008年の230万台、2011年の210万台の50%前後に留まり、2004年の水準に留まるとAbraciclo協会のマルコス・フェルマニアン会長は説明している。
2011年のマナウスフリーゾーンの二輪業界の従業員数は2万人に達していたが、2017年は1万2,100人と半減、今年は昨年並みで2016年の1万3,000人までは回復しないと予想されている。
今年3月の二輪生産はカーニバル休暇の影響で前月比9.6%減少の9万1,500台、前年同月比でも3.3%減少、卸売販売は前月比2.0%増加の9万3,500台、新車登録台数は0.4%減少の8万3,800台、前記同様に前年同月比7.2%増加、5.6%増加している。(2019年4月11日付けヴァロール紙)