2月19日米国資本フォード社は、50年間に亘って生産、現在はトラック並びにコンパクトカーFIESTA車を生産しているサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポ工場(SBC)閉鎖を発表していた。
しかしSBC工場閉鎖は、4,500人に及ぶ直接及び間接雇用の減少に繋がるために、3月初めにABC金属労連のジョゼ・キシャベイラ代表は、米国フォード本社に赴いて直訴したにも関わらず、フォード社はSBC工場閉鎖を明言していた。
3月10日にサンパウロ州政府のジョアン・ドリア州知事は、サンパウロ州内の自動車メーカーの撤退を防ぐために、投資活性化のためのIncentivAuto(自動車工業優遇税制)プログラムとして、商品流通サービス税(ICMS)を最大25%カットする減税政策導入を発表した。
ドリア知事は2カ月間に亘ってGM社企業経営者側と撤退防止と投資活性化で交渉、GM社は撤退交渉から一転して、2020年~2024年の5か年計画で、サンパウロ州サン・カエターノ工場並びにサン・ジョゼ・ドス・カンポス工場に100億レアルに達する投資を発表した。
フォード社の販売代理店で、またゴイアス州で韓国資本の現代自動車の自動車を生産、サンパウロ州ジャカレイ市で乗用車を生産する奇瑞汽車(Chery)とパートナーを組むブラジル資本CAOAグループがフォード社SBC工場買収で合意した。
CAOA社はSBC工場でのフォード社のトラックの委託生産で4,500人に及ぶ直接及び間接雇用を維持する一方で、コンパクトカーFIESTA車の生産は継続しない。
韓国自動車メーカー現代自動車の国内販売車をゴイアス州アナポリス市で委託生産しているCaoaグループは、現代自動車のTucson車並びにix35車、Chery社の新型モデル車のTiggo5X車並びにTiggo7車を生産している。
2017年のChery社のCaoa社の委託生産は3,734台であったが、2018年は前年比131%増加の8,640台を2倍以上の生産を記録している。またCaoa社は現代自動車並びにスバル社の輸入販売も行っている。
2017年のフォード社の世界の純益は前年比9.0%増加の17億4,000万ドルしたにも関わらず、利益率は6.4%から5.2%に減少、フォード社は2020年に世界の利益率を8.0%、米国は10%に引き上げるためには255億ドルのコストカットを迫られており、収益率の低い工場の閉鎖を果敢に進めている。