アルゼンチン経済危機の影響を受けて2018年の自動車輸出減少が牽引して、昨年の自動車生産は年初予想の300万台を大幅に下回る288万台に留まったものの、国内販売が予想を上回って前年比6.7%増加している。
しかし今年の自動車生産は、アルゼンチン経済の停滞継続にも関わらず、国内経済の回復による一般消費者の景況感改善、自動車販売向けクレジット拡大、コントロールされているインフレや低金利、ボルソナロ新政権による年金改革をはじめとした構造改革着手などの要因で、前年比9.0%増加の314万台を全国自動車工業会(Anfavea)では見込んでいる。
昨年の自動車輸出は前年比17.9%と二桁減少の62万9,200台と3年連続増加から一転して前年割れを記録、また自動車輸出金額も8.6%減少の145億ドルに留まっている。
リセッションに陥っているアルゼンチン経済は、来年中頃までリセッションが継続すると予想されているために、全国自動車工業会(Anfavea)では今年の自動車輸出台数は59万台に留まると予想している。
2018年の自動車の国内販売は、当初予想の前年比13.7%増加を上方修正する14.6%増加の256万6,000台を記録、今年の自動車の国内販売は、GDP比2.5%~3.0%と予想されているブラジル国内経済の回復やボルソナロ新政権への期待などの要因で、11.4%増加の286万台が予想されている。
ブラジル国内の自動車メーカーの自動車生産能力は、既に500万台に達しているために国内需要や輸出の急増に充分対応可能であり、製造業ラインの雇用拡大のみで新規投資の必要性は全くない。
昨年の自動車業界の雇用は前年比1.7%増加に相当する2,176人増加、昨年最終四半期の新規雇用は、2,000人増加の13万500人と3年連続で増加傾向となっている。(2019年1月9日付けエスタード紙)