全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2018年4月の自動車生産は、前年同月比40%増加。今年初め4か月間の自動車生産は、前年同期比20.7%増加の96万5,900台に達して好調を維持している。
今年初め4か月間の自動車生産96万5,900台のうち20%がアルゼンチン向け輸出であったが、先週アルゼンチン中銀は、3回連続でのアルゼンチンペソの切下げ、また政策誘導金利も27.25%から40.0%と大幅な金利引き上げをした影響で、今後のブラジルのアルゼンチン向け自動車輸出にブレーキがかかるとAnfaveaのアントニオ・メガレ会長は憂慮している。
今年初め4か月間のブラジルの自動車輸出25万3,400台の75%はアルゼンチン向けが占めており、アルゼンチン政府の通貨切り下げ並びに金利引き上げは、早急なブラジルの自動車輸出先の開拓を余儀なくされている。
また今年4月のみのアルゼンチン向け自動車輸出は、7万3,200台に達し過去2番目の月間輸出台数を記録、輸出金額は、前年同月比36.8%増加の16億7,000万ドルを記録している。
今年初め4か月間のアルゼンチン向け自動車輸出は、前年同期比26.0%増加の57億6,000万ドル、昨年までのアルゼンチン向け自動車輸出比率は、全体の60%~70%で推移していたが、メキシコ向け輸出が半減の7.0%まで減少したために、輸出比率が80%まで上昇していた。
今年初め4か月間の自動車輸出比率では、チリ向け輸出は全体の5.0%、ウルグアイ4.0%、コロンビア3.0%、その他は6.0%に留まっており、80%を占めていたアルゼンチン向け輸出減少がブラジル自動車業界に大きなダメージに結び付くとアントニオ・メガレ会長は予想している。
ブラジルの自動車生産は18カ月連続で前年同月比増加を記録して、この18カ月間にブラジル自動車業界では、新たに3,400人の新規雇用を創出、4月だけで528人が新規雇用している。
しかしブラジルが深刻な経済リセッションに陥っていた2013年~2016年に亘って、自動車業界では3万5,000人の人員削減を余儀なくされた。また未だに自動車メーカー3社の1,657人の従業人はレイオフで職場を離れている。
ミッシェル・テーメル大統領は、ROTA2030プログラムに関する大統領暫定令(MP)を5月5日までに発表すると示唆していたにも関わらず、未だに財務省との調整で折合がついていない。
2017年12月31日で終了した自動車技術革新政策(Inovar Auto)に替わって、これを置き換える新たな政策案Rota2030は、2018年1月1日から実施される予定であったにも関わらず、何時から実施されるか全く目途が立っていない。(2018年5月8日付けエスタード紙)