2017年12月31日で終了した自動車技術革新政策(Inovar Auto)に替わって、これを置き換える新たな政策案Rota2030を2018年1月1日から実施される予定であったが、連邦打政府の財務省や企画省では、年間15億レアルの歳入減少に繋がるInovar Auto政策を引き継ぐRota2030プログラムによる減税政策に反対している。
一方で商工サービス省(MDIC)並びに自動車メーカーは、Rota2030プログラムでの技術革新を進めるP&Dや投資促進には、Inovar Auto政策同様の減税インセンチブ政策の導入は不可欠であり、年間15億レアルの減税政策が導入されなければブラジルからの撤退や投資削減を行うと恫喝しているが、財務省ではコメントを出していない。
今年3月1日からROTA2030プログラムが施行される予定であったにも関わらず、財務省と商工サービス省(MDIC)との間の意見調整の難航、また南米共同市場(メルコスール)と欧州連合(EU)との間で進行している通商交渉締結まで先送りする可能性が自動車業界関係者は予想している。
世界貿易機関(WTO)から国際貿易協定に違反しているとされた自動車技術革新政策(Inovar Auto)に替わるROTA2030プログラムの目的は、排出ガスと燃費基準に沿った環境にやさしい省エネカーの拡大を目指して工業製品税(IPI)の減税率を設定、自動車メーカーやパーツサプライヤーの排気ガス減少並びに燃費効率の向上に伴うブラジル自動車産業の競争力強化を狙って、海外から新規サプライヤーの参入を促す。
自動車メーカーでは、ROTA2030プログラムによる減税政策導入が不十分であればブラジルからの撤退を示唆しているにも関わらず、2012年には380万台の販売実績があるために、国内向け設備投資は必要ないと財務省では強気になっている。
また自動車技術革新政策(Inovar Auto)の導入で、ブラジル国内での自動車生産を余儀なくされた高級車メーカーでは、排気ガス減少並びに燃費効率の向上の省エネカー生産転換を余儀なくされるROTA2030プログラム導入では、ブラジルからの撤退を余儀なくされる。
全国自動車工業会(Anfavea)のアントニオ・メガレ会長は、ROTA2030プログラムの技術革新を進めるP&Dや投資促進向け減税政策が不十分であれば多くの自動車メーカーでは投資削減を余儀なくされると指摘している。
財務省では、善意の暫定令をとしての年間15億レアル以下の減税政策適用を検討している一方で、自動車技術革新政策(Inovar Auto)を導入した各自動車メーカーでは、経済リセッションによる自動車販売減少並びに技術投資拡大で収益性が圧迫されていた。(2018年3月7日付けエスタード紙)