昨日、ドイツ資本メルセデス・ベンツ社は、ブラジル国内のバスやトラック生産工場向けに24億レアルの投資計画を発表、また今年3月以降では、自動車メーカーやトラックメーカー8社が2022年までに総額150億レアルに達する投資計画を発表している。
2013年~2016年のトラックやバスを含む自動車生産は、国内経済リセッションに伴って壊滅的な打撃を受けて42%減少した影響で、自動車業界の従業員3万5,000人が解雇されていた。
2013年のトラックやバスを含む自動車生産は、370万台に達していたにも関わらず、未曾有の経済リセッションの影響で2016年の自動車生産は220万台まで減少、しかし今年は景気回復や輸出拡大で270万台まで回復すると全国自動車工業会(Anfavea)では予想している。
メルセデス・ベンツ社では、2018年~2022年の5年間にサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス工場並びにミナス州ジュイス・デ・フォーラ工場の設備投資更新や最先端テクノロジー導入に24億レアルを投資する。メルセデス・ベンツ社は、2010年に今後の5か年投資計画として総額25億レアルの投資を発表していた。
連邦政府による適格な経済政策採用でインフレ指数を最低水準まで引下、ブラジルの国際信用の回復、また農業機械や鉱業機械販売も自動車業界活性化を牽引しているとブラジル並びにラテンアメリカメルセデス・ベンツ社のPhilipp Schiemer社長は、今後の自動車業界の再活性化は疑問の余地がないと強調している。
今後のブラジル経済の回復に伴って自動車販売は堅調に増加すると予想、ワーゲン社の今後4年間のブラジル国内の自動車販売は、40%増加をブラジルワーゲン社のPablo Di Si社長は予想している。
しかし2012年のブラジル国内の自動車販売は380万台に達したものの、2016年には46%減少の僅か200万台に留まって、生産コストや人材コスト削減でレイオフや集団休暇、時短操業などを余儀なくされて自動車業界やサプライヤーは壊滅的な打撃を受けていた。
2005年のブラジルの自動車輸出は72万4,000台に達していたが、2014年には33万4,000台と半分以下に減少していた。しかしアルゼンチンの好景気や二国間の自動車貿易協定締結、新しいマーケット開拓が牽引して、今年の自動車輸出は、74万5,000台で記録更新が予想されている。
ワーゲン社の今年初め9カ月間の自動車輸出は、アルゼンチン向けが牽引して前年同期比62%増加、しかしトルコやエジプト、チリなどの新市場開拓には、技術競争力向上が不可欠であるとPablo Di Si社長は説明している。
ブラジル国内に進出している各自動車メーカーの投資比較では、Scania社はサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス工場の工場近代化や生産開発に26億レアルを投資する。
またGM社はサンパウロ州サン・カエターノ・ド・スール工場並びにサンタ・カタリーナ州ジョインヴィーレ工場、南大河州グラヴァタイ工場に45億レアルを投資、ワーゲン社はサンパウロ州アンシエッタ工場で新しいPolo車並びに Virtus車開発に26億レアルを投資する。
Volvo社も工場近代化向け設備投資一新やニューモデル車開発、ディーラー向けに総額10億レアルの投資を予定、トヨタ社はソロカバ工場に新たに10億レアルを投資、ルノー社は生産ライン増強に7億5,000万レアルを投資,MAN社はリオ州レゼンデ工場の近代化やニューモデル車開発に1億9,000万レアルの投資する。(2017年10月10日付けUOLサイトから抜粋)