メルセデスベンツ社をはじめ各自動車メーカーは、経済リセッションによる新車販売不振で生産調整のために集団休暇制度やレイオフ制度、希望退職制度(PDV)、雇用保護計画(PPE)の導入などを積極的に実施してきた。
しかしメルセデスベンツ社では、新車販売不振による設備稼働率が50%を割る現状では、サン・ベルナルド・ド・カンポス工場従業員の解雇以外には解決方法がないために9月1日からの解雇開始を発表、ABC金属労連は生産中止のストを継続している。
メルセデスベンツ社ではサン・ベルナルド・ド・カンポス工場では1,870人の従業員の解雇をABC金属労連に通達したが、昨日、ABC金属労連はトラックやバスの生産中止、更に操業停止を継続すると会社側に通達している。
メルセデスベンツ社総務担当のルイス・カルロス・デ・モラエス取締役は、同カンポス工場の従業員9,800人のうち余剰人員は2,500人と指摘、希望退職制度(PDV)に応募したのは僅かに630人であったために、2,000人近い従業員の解雇を余儀なくされている。
今週、ワーゲン社のサン・ベルナルド・ド・カンポス工場の従業員は3,600人の解雇につながる希望退職制度(PDV)の導入を避けるために、5か月間のサラリーの無調整などで合意している。
7月の自動車業界は1,147人の従業員を解雇、過去12か月間では8,919人が解雇され、現在の業界の従業員総数は、2009年以降で最低の12万7,986人まで減少していると全国自動車工業会(Anfavea)では発表している。
また全国自動車工業会(Anfavea)では、生産調整のために2万6,000人の業界従業員が操業時間短縮制度に組み込まれており、そのうち2万1,000人は雇用保護計画(PPE)の対象、5,000人はレイオフの対象となっている。
今年初め7か月間のトラック生産は前年同期比24.5%減少の3万6,300台、バス生産は31%減少の1万800台に留まっており、設備稼働率が50%を割って大幅な余剰人員となっている。
今年初め7か月間の自動車輸出は、前年同期比20%増加の27万2,200台に達しているにも関わらず、自動車輸出金額は8.1%減少の57億8,000万ドルに留まっている。
また今年初め7か月間の自動車生産は20.4%減少の120万台、新車の国内販売は24.7%減少の116万台に留まっており、自動車業界ではジウマ・ロウセフ大統領罷免後の早急な経済活性化政策の導入に期待している。(2016年8月5日付けエスタード紙)