今年上半期のトラックやバスを含む自動車生産は、前年同期比21.2%減少の101万6,000台と過去12年間で最低の自動車生産台数まで落ち込んでおり、新車販売が回復基調に達するのは、失業率改善による一般消費者の景況感回復並びにクレジット拡大が期待できる2018年になると予想されている。
6月末の自動車工業界の従業員総数は12万7,700人、6月の従業員解雇数は244人、過去12か月間では9,200人が解雇されており、今年上半期の解雇総数は2,100人に達している。
現在、新車生産並びに在庫調整のため生産ラインを外れている自動車業界の従業員総数は2万6,000人、そのうちレイオフ制度を適用されているのは4,700人、雇用保護計画(PPE)を適用されているのは2万1,300人に達している。
今年の新車販売は前年比19%減少の200万台と全国自動車工業会(Anfavea)では予想、トラックやバスを除く新車生産向け平均設備稼働率は僅かに50%に留まっている一方で、トラックやバス生産向け平均設備稼働率は、70%に達しているとAnfaveaのアントニオ・メガレ会長は説明している。
自動車メーカー25社に対する聞き取り調査では、6月中に16メーカーが従業員の解雇を実施した一方で、ルノー社並びにBMW社、 GM社は輸出向け新車生産のため臨時雇用を採用、またジャガー・ランド・ローバー社は、リオ州イタチアイア工場の操業開始に伴って新たに従業員を雇用しているとAnfaveaのアントニオ・メガレ会長は説明している。
今年上半期の新車輸出は前年同期比14.2%増加しているにも関わらず、6月以降のレアル通貨に対するドル安為替傾向は、今後の自動車輸出に大きな影響を及ぼすと自動車業界では予想している。
今年の新車生産台数は前年比5.5%減少の230万台と2005年の水準まで低下すると予想、自動車業界の従業員の78%は失業を最も憂慮しているとアントニオ・メガレ会長は説明している。
6月の新車販売のうちクレジット販売は、毎年平均の60%から52%まで低下しており、銀行クレジットの延滞率増加に伴う与信強化の影響で、クレジット販売が低下してきている。
一般消費者の景況感は、失業率が高率で推移している現在は改善の余地はなく、また銀行クレジットは延滞率の減少傾向が明らかにならなければ改善されないとサンタンデール銀行エコノミストのロドルフォ・マガルト氏は説明している。
今後の自動車販売は、GDP伸び率が上昇に転じる2017年から徐々に改善の兆しが表れ、明確な回復基調になるのは2018年になると同氏は見込んでいる。(2016年7月7日付けエスタード紙)