全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、4月のバスやトラックを含む新車生産台数は16万9,800台、新車販売台数は16万2,900台、新車在庫は営業日数換算で46日に相当する25万1,700台を記録している。
通常の新車在庫は営業日数換算で30日~35日に留まっているが、自動車メーカーでは、生産調整のために集団休暇制度並びにレイオフ制度、雇用保護計画(PPE)の導入を積極的に進めているにも関わらず、1年以上前から新車在庫は営業日数換算で50日近くに達している。
メルセデス・ベンツ社のサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス工場、ボルボ社のパラナ州クリチーバ工場ではそれぞれ今後も新車増産が望めないために、希望退職制度(PDV)を今後数か月間にかけて積極的に導入して人件コスト削減を図る。
過去数年前の自動車業界は、ブラジルの新車生産は国内販売や輸出が好調に推移すると見込んで500万台に達する設備投資を行ってきたにも関わらず、今年の新車生産は200万台以下に留まると予想されている。
2015年1月~今年4月までの自動車業界では従業員1万5,800人の解雇で生産調整を余儀なくされていたが、今後も新車販売は低調に推移すると予想されているため各メーカーでは積極的な人員削減を余儀なくされている。
今月末にメルセデス・ベンツ社のサン・ベルナルド・ド・カンポス工場の8,000人の従業員に対する雇用保護計画(PPE)適用が終了、週休3日から週休2日に戻るために新たな労働時間調整を余儀なくされる。
ワーゲン社ではサンパウロ州のサン・ベルナルド・ド・カンポス工場並びにタウバテ工場、パラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャエス工場の従業員に対して、6月に20日~30日間の集団休暇採用で生産調整を検討している。
現在の自動車産業界では約30%の業界従業員が何らかの操業短縮制度の適用を受けており、そのうち6,000人はレイオフ制度、2万9,600人が雇用保護計画(PPE)の適用を受けている。
2015年初めから雇用保護計画(PPE)が導入開始、すでに製造業部門を中心に90社の工場従業員に対して適用、そのうち今年初めから50社が雇用保護計画(PPE)を採用、連邦政府によるPPE支出による補助金総額は1億5,000万レアルに達している。
雇用保護計画(PPE)の適用を受けている製造業部門40社のうち17企業は自動車・部品メーカー、金属関連は14社、サービス業は10社、商業は3社、ファイナンス並びに繊維、輸送、教育、建設企業はそれぞれ1社となっている。
ジェトリオ・バルガス財団(FGV)の調査によると、自動車・部品メーカーの過剰在庫は調査対象企業の36%に達しており、今年4月の製造業部門の平均過剰在庫は10.0%、昨年11月の16.3%並びに昨年8月の20.3%から大幅に減少してきている。(2016年5月30日付けエスタード紙)