Preventグループ傘下で多機能シート構造メーカーKeiper社による自動車部品供給不足の影響で、ワーゲン社に続いてフィアット社のミナス州ベティン自動車工場でも生産中止に追い込まれている。
ワーゲン社は今週初めからブラジル国内の3自動車工場でKeiper社からのシート供給がストップしているために、製造ラインを中心に1万人以上の従業員に対して集団休暇採用を余儀なくされている。
昨日17日、フィアット社はKeiper社傘下のパーツサプライヤーTower社並びに Mardel社からの部品供給がストップしているために、フィアット社向けサプライヤーの従業員を含めると5万人に影響が及ぶと強調している。
フィアット社ではTower社並びに Mardel社からの部品供給ストップで1日当たり5,000台の生産中止で3,000万レアルの売り上げ減少、納期変更による生産調整で裾野産業の広い業界に大きな影響が波及する。
またワーゲン社ではサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス工場並びにタウバテ工場、パラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャエス工場で自動車生産中止を余儀なくされる。
フィアット社はミナス州の裁判所にベティン自動車工場での自動車生産で支障をきたさないように、Tower社並びに Mardel社に対して最低限の部品供給義務で提訴している。
しかしKeiper社のセーザル・ペレイラ弁護士は、フィアット社の同社への支払い問題が波及して傘下のサプライヤーへの支払い遅延で、パラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャエス工場並びにサンパウロ州リベイロン・ピレス工場、ミナス州ベティン工場で多くの従業員解雇を余儀なくされたと反論している。
ワーゲン社並びにフィアット社では、Keiper社が不当に供給部品の値上げを要求して、要求に応じない場合は部品供給をストップしていると説明しており、両社にとってKeiper社が自動車シートの唯一のサプライヤーであるために、Keiper社の要求を受け入れていた経緯があった。
今日、ミナス州のベティン金属労連のジョアン・アルヴェス・デ・アルメイダ会長はKeiper社代表との会合を予定しているが、Keiper社では自動車メーカーが供給部品の値上げに応じなければ2工場での操業停止並びに従業員解雇を強調している。
またKeiper社は自動車シートをフォード社並びに三菱自動車、トヨタに供給しているにも関わらず、現在までに部品供給でワーゲン社並びにフィアット社同様の問題は発生していない。
中国自動車メーカーのチェリー社のサンパウロ州ジャカレイ工場では1日当たり300台の自動車を生産しているにも関わらず、輸入部品不足で今月31日まで400人の従業員のうち140人に対して臨時休暇制度を採用する。(2016年5月18日付けエスタード紙)