BRFが4月15日、初めてブロイラー屠畜ペースを削減する可能性について言及した。現時点では減産の必要性については否定したものの、新型コロナウイルス(COVID-19)に感染する従業員が増加すればこうしたシナリオは現実のものになり、養鶏場のブロイラーの規模調整の必要も生じると説明した。
証券会社ネクトン(Necton)のオンラインのライブ放送でBRFのロリヴァル・ルスCEOがコメントしたもので、必要が生じた場合の生産調整に対する明確な計画を策定済みだとしている。
孵化事業のペースを既に減速しているのかという質問に対して同CEOは、「今のところはノーだ」と答えた。さらに、「今のところといった理由は、我々に明日のことは想定できないからだ」と付け加えた。しかしながら、アメリカ国内の状況(従業員の間でCOVID-19の大規模な感染により同国内で数10か所の食肉処理場が生産規模を縮小あるいは閉鎖)を考えればその可能性も否定できないと認めた。
「アメリカ国内でも経験があり、減産をできないことではない。一定水準の感染があれば、生産ラインのペースを減速する」という。またBRFの従業員内での感染確認は、業界の一般的水準だとした。
この日のライブ放送では具体的な数字を明らかにしなかったルスCEOだが、バロール紙にはBRFが同日、同社内の従業員で6人の感染が確認されていることを明らかにしている。BRFによると、これらの従業員は、COVID-19感染者に接触した従業員と同様、予防措置として陽性反応の結果が出るのを待たずして隔離されていると説明した。
またブロイラーの屠畜ペースが削減されることになれば、同様に孵化事業も縮小する。「食肉処理場の生産ペースが縮小すれば、社内の上流も歩調を合わせる必要がある。そうでなければ、農場にブロイラーがあふれかえることになる」と同CEOは説明した。
様々なリスク要素と国内で食料品供給を維持する必要性などを考慮した上でルスCEOは、同社が既に製品の在庫を強化し消費者(現在では小売店)に近い場所に移動させていることを明らかにした。
フードサービスは同社の売上の10%を占めるチャネルであるが、レストランの営業停止で販売は急落しており、同社のカルロス・モウラ営業及びインベスター・リレーションズ担当副社長によると、契約の再交渉を進めている。ただし同副社長によると、BRFは今のところ顧客の債務不履行という問題には直面していないという。小売とフードサービスを考慮した場合、「総需要」は安定しているとルスCEOはコメントした。(2020年4月16日付けバロール紙)