ブラジル資本Marfrig社は、米国資本National Beef社の株式51%を9億6900万ドル(33億レアル相当)で取得、同じくブラジル資本JBS社に次ぐ世界2位の牛肉加工メーカーが誕生した。
Marfrig社は、積極的なポートフォーリオ路線拡大で自社負債の負担に耐えられず、自社資産総額の35%の農出を余儀なくされていたが、今回のNational Beef社の買収で1日当たりの牛肉処理能力は3万5000頭に上昇、昨日のMarfrig社の株価は18.8%高騰の7.39レアルを記録している。
Marfrig社のマルチンス・セッコ社長は、今後我社は牛肉加工に投資を集中すると説明。National Beef社は、2009年から2010年にかけてライバル会社JBS社との間で10億ドルでの買収合意に達していた。
しかし米国司法省反トラスト局は、ブラジル資本JBS社によるNational Beef社の買収は、独占禁止法に違反すると買収交渉を中止した経緯があった。2011年に米国資本の投資ファンドLeucadia社がNational Beef社を買収していた経緯があった。
昨年のNational Beef社の売上は240億レアル、National Beef社買収後のMarfrig社の売上は420億レアルに達するが、社会経済開発銀行(BNDES)は、継続してMarfrig社の株式33.7%を擁して経営を監視する。
ミズリー州カンサスシティー市に屠殺工場を擁するNational Beef社の1日当たりの牛肉処理能力は1万2000頭、またカンサス州Dodge City市並びに Liberal市にも屠殺工場を擁して、米国の牛肉加工の13%に相当する処理能力を擁している。
Marfrig社は、National Beef社の51%の株式取得で日本並びに韓国を含む40か国への加工牛肉マーケット市場への参入に足掛かりを築いた。昨年のMarfrig社の純負債総額に対するEBITDAは、4.55倍と圧迫されていたが、National Beef社買収後は3.35倍に改善する。
National Beef社を買収した一方で、Marfrig社は米国内のマクドナルドチェーン網に鶏肉を納入しているKeystone Foods社の放出を検討しており、Keystone Foods社放出後のMarfrig社のEBITDAは、2.50倍と大幅な改善が予想されている。(2018年4月10日付けエスタード紙)