動物性タンパク質の需要が拡大してきているアラブ諸国向けのイスラム法上で食べることが許されている食材や料理を指すハラール処理済みのブラジルの牛肉並びに鶏肉輸出が増加してきている。
ニッチ市場と見られていたイスラム圏諸国への食肉輸出は、経済成長に伴ってアラブ諸国向けを中心に需要が拡大してきており、ブラジルの食肉輸出企業の90%はすでにハラール処理施設を擁している。
世界人口の20%に相当する18億人を擁しているイスラム教諸国向けの2015年のブラジルのハラール処理済みの鶏肉輸出は、全体の45%に相当する207万トンに達しているとブラジル動物蛋白質協会(ABPA)では発表している。
また2015年のブラジルの牛肉輸出の24%は、ハラール処理済みのイスラム教諸国向けで輸出額は14億ドルに達しており、人口の80%がイスラム教のアラブ首長連邦国向け牛肉輸出は1万8,000トンで輸出額は8,400万ドルに達している。
今年初め9カ月間のアラブ諸国向け牛肉輸出は、33億7,000万ドルに達していると開発商工サービス省(MDIC)の統計表で判明しており、人口の90%がイスラム教のエジプト向け牛肉輸出は5億660万ドルに達している。
イスラム諸国向けのハラール処理済みの1トン当たりの牛肉輸出価格は、ハラール処理をしない牛肉価格よりも生産コストの上昇で250ドル~500ドル高い価格で取引されている。
ブラジル国内20カ所のハラール処理が可能な食肉加工工場を擁している大手食肉メーカーBRF社傘下サジア社のサウジアラビアでのマーケットシェアは38%、アラブ首長連邦国のシェアは59%、オーマンは40%とそれぞれ確固たる地盤を築いている。
Marfrig Global Foods社の食肉輸出の30%はハラール処理が必要な中近東向けであり、特にイラン並びにサウジアラビア、マレーシア、エジプト向け食肉輸出が牽引、しかし最近ではイスラム圏以外の中国並びにヨーロッパ向けのハラール処理済み食肉輸出の需要がでてきていると説明している。
Minerva Foods社でもイスラム諸国向けハラール処理済みの食肉輸出拡大を狙って、サウジアラビア国内に同国のSalic UK社と共同で配送センター並びに事務所を開設している。
Minerva Foods社では食肉生産の80%は輸出向けであり、輸出の1/3はハラール処理済みのイスラム圏向け食肉輸出、すでに1998年にベイルートに事務所を開設、北アフリカのエジプト並びにアルジェリア、またサウジアラビア、イランにも事務所を開設している。(2016年10月15日付けエスタード紙)