今年第1四半期のブラジル国内の一人当たりの牛肉消費は、過去14年間で最低を記録したにも関わらず、牛肉輸出が好調に推移して国内消費減少を補っており、また鶏肉並びに豚肉の消費も増加傾向となっている。
ブラジル地理統計院(IBGE)並びに通産開発省通商局(Secex)の調査によると、2015年のブラジル国内の一人当たりの牛肉消費は、国内経済リセッションによる実質賃金の減少や失業率の増加、高止まりするインフレによる可処分所得の減少などの要因で前年比8.4%と大幅減少の30.6キログラムに留まっている。
昨年のブラジル国内の一人当たりの牛肉消費は、前年比8.4%減少した一方で鶏肉消費は46キログラム、豚肉消費は14.8キログラムとそれぞれ1997年以降では最高の消費を記録している。
今年第1四半期のサンパウロ州内の1アローバ(15 キログラム)当たりの牛肉価格は前年同期比6.3%増加の153.18レアル、2015年の牛肉の価格は前年比15.1%とインフレ指数以上の値上がりを記録していた。
しかし昨年12月の食肉メーカーの国内マーケットの食肉販売の粗利は17.3%減少、今年3月は9.4%それぞれ減少、牛肉生産トップのJBS社はブラジル国内の4カ所の食肉工場で20日間の集団休暇制度を採用して生産調整を余儀なくされていた。
牛肉生産トップのJBS社の食肉販売の60%は国内、Minerva社は食肉生産の70%を輸出、牛肉生産2位のMarfrig社は50%を輸出しており、2月の牛肉の輸出価格は国内価格よりも20%高値を維持していた。
昨年のブラジル国内の牛肉消費は前年比7.6%減少の635万1,000トン、今年第1四半期の中国向け牛肉輸出は前年同期比23%増加、3大食肉メーカーの生産の80%は国内消費向けであり、輸出比率は20%に留まっている。(2016年4月11日付けヴァロール紙)