食品加工大手のBDF社は、3億6,000万ドルを投資してタイ資本Golden Foods Siam社を買収、またタイ資本以外にもアルゼンチン資本や英国資本の企業買収に総額5億ドルを投じて果敢に海外進出を行っている。
3億6,000万ドルで買収したタイ資本Golden Foods Siam社は、タイ国内では鶏肉生産のトップメーカー、2016年のBDF社の鶏肉生産はGolden Foods Siam社の買収で年間22万トン~23万トン増加、またこの買収の成功で東南アジアマーケット進出の橋頭堡を確保した。
また英国資本の食品配送企業Universal Meatsを3,400万ポンドで買収、また豚肉加工セグメントのアルゼンチン資本Campo Austral社傘下のオランダ資本Eclipse Holdingを8,500万ドルで買収している。
BDF社は10月にソーセージ並びにハンバーグ、マーガリンなどを生産するアルゼンチン資本Molinos Rio de La Plata社を買収、更にアルゼンチン資本Campo Austral社傘下のEclipse Holdingの買収でマーケットシェア拡大に向けたシナジー効果が期待できる。
野党の選挙連合「変えよう同盟(CAMBIEMOS)」から出馬したマウリシオ・マクリ候補の大統領選出で12年間にわたった左派キルチネル派政権からの政権交代で国内経済活性が期待できるために、BDF社にとってEclipse Holding買収はタイミングの良い的を得た物件と見られている。
元大手小売りチェーンのポン・デ・アスーカルグループ会長の実業家アビリオ・ジニス氏が2013年5月にBDF社の経営審議会会長に就任直後から、BDF社は事業ターゲットを国内からグローバリゼーション化を積極的に進めている。
BDF社は過去2年間に中近東ではアラブ首長国連邦並びにオマーン、クエート、カタール、アジアではインドネシア並びにシンガポール、タイ、南米ではアルゼンチンで企業買収や食品配送事業、事務所設立などでグローバル化を積極的に進めている。
また今後の食糧消費拡大が見込まれているアフリカ大陸への進出を模索しており、特にサハラ砂漠より南の地域のサブサハラ地域への進出をターゲットにしている。(2015年12月3日付けエスタード紙)