今月8日、日本政府はブラジルで牛海綿状脳症(BSE)の感染牛が見つかったことを受け、ブラジル産の牛肉製品の輸入停止を発表したのに続いて、中国並びに南アフリカもブラジル産牛肉製品の輸入禁止を発表した。
またロシア並びにヴェネズエラでもブラジル産牛肉製品の輸入禁止を検討していると見込まれているが、両国への牛肉輸出が停止すればブラジルの牧畜関係者に与える悪影響は計り知れない。
チリは今のところブラジル産牛肉製品の輸入禁止措置は取っていないにも関わらず、他の牛へのBSE脳症の感染の可能性がある飼料用の牛骨粉末の輸入を禁止すると予想されている。
今年すでに1万4,800トンのブラジル産牛肉を輸入していた中国のブラジル産牛肉製品の輸入禁止にも関わらず、ブラジルにとって年間17万トンで第2位の牛肉輸出先の香港は、輸入禁止措置を採用していない。
日本のブラジル産牛肉輸入は1,500トン、南アフリカは僅かに335トンに留まっているためにそれほど大きな影響はないが、ヴェネズエラは国内の牛肉消費の65%をブラジル産が占めているために、輸入禁止措置が採用されると影響が非常に大きい。
昨年のロシア向けブラジル産牛肉輸出は、15億ドルで牛肉輸出の36%を占めており、また2010年の輸出も18億ドルとブラジルにとって非常に重要な輸出先となっている。
今年11カ月間のブラジルの牛肉輸出は、111万4,000トンで輸出金額は51億ドルに達しているために、ブラジルはすでに全ての主要輸入先に必要な情報を開示して、輸入禁止措置の解除に向けて躍起となっている。
BSEに感染していたのは2010年12月に13歳で死んだ雌牛であるが、飼料から感染する定型のBSEか、自然発生する非定型かは現時点では明らかになっていない。(2012年12月14日付けエスタード紙)