ブラジルは来年初めにサンタ・カタリーナ州で生産される豚肉を日本向けに輸出開始を予定、日本は豚肉輸入では世界トップの52億ドルとなっているためブラジルにとっては大きなビジネスチャンスにつながる。
世界でも有数の食肉輸出国であるブラジルでは、口蹄疫対策に長年取り組んでおり、国際獣疫事務局(OIE)で多くの地域がワクチン接種清浄地域に認定され、特にサンタ・カタリーナ州ではワクチン非接種清浄地域となるまで清浄化が進み、来年初めには日本向けに豚肉を輸出できる見込みとなっている。
ブラジル豚肉加工輸出業者会(Abipecs)のペドロ・デ・カマルゴ・ネット会長は、今後数年以内に日本への豚肉輸出の15.0%のマーケットシェアの獲得を見込んでいる。
米国の旱魃の影響でトウモロコシや大豆の国際コモディティ価格が上昇してきているために、家畜の飼料価格が値上がりしてきている影響で豚肉並びに鶏肉の価格が上昇してきており、過去1カ月間に豚肉の価格は20%上昇している。
日本向けの豚肉輸出開始でロシア向けの南大河州並びにパラナ州、マット・グロッソ州で生産している豚肉輸出のリスク低減に結びつくために、ブラジルの豚肉生産者にとっては朗報となっている。
今年上半期のブラジルの豚肉輸出は、前年の7億3,520万ドルから6億8,730万ドルと減少、豚肉輸出先のトップはウクライナの1億6,930万ドル、2位はロシアの1億6,710万ドル、3位は香港の1億5,380万ドル、豚肉の輸出量は前年同期比0.72%増加の26万8,700トンとなっている。
昨年の豚肉生産では中国がトップ、続いてヨーロッパ連合、米国、ブラジルは4位、日本は8位、またブラジルの日本向け鶏肉輸出のシェアは90%と他の国を圧倒している。
昨年の日本への豚肉輸出は79万3,000トン、米国の日本向けの豚肉輸出ではトップの32万3,700トン、日本向けの豚肉輸出開始でアジア向けの輸出に大きな弾みとなる。
中国もブラジルからの豚肉輸入を検討しており、3月に3カ所の豚肉加工工場を検査、更に南大河州の豚肉加工工場を2ヵ所検査中であり、今後は韓国並びにヨーロッパ連合、メキシコ向けの輸出の可能性がでてきている。(2012年8月28日付けエスタード紙)