商工サービス省(MDIC)の発表によると、5月下旬から開始して11日間継続したトラック運転手の国道封鎖抗議デモよる輸出向け物流問題発生は、2018年6月の貿易収支黒字悪化の主要な要因となっている。
今年6月の輸出総額は前年同月比2.1%増加の202億200万ドル、輸入総額は13.7%増加の143億2,000万ドル、貿易収支は18.1%減少の58億8,200万ドルに留まった。
今年上半期の貿易収支は前年同期比17.0%減少の300億ドルを記録、トラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で、1日平均当たりの輸出額は30%減少して大きな影響を受けている。
トラック運転手の国道封鎖抗議デモ発生前の5月7日~21日の1日平均当たりの輸出額は10億ドル、デモ発生初期の5月21日~27日の1日平均当たりの輸出額は6億9,900万ドルに減少、5月28日~31日の1日平均当たりの輸出額は、6億4,200万ドルと更に減少していた。
トラック運転手の国道封鎖抗議デモの輸出へのインパクトは6月上旬まで継続したものの、6月4日~10日の1日平均当たりの輸出額は、11億1,500万ドルと通常レベルに回復しており、今年の貿易収支は、500億ドルの黒字計上が見込まれている。
トラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響は、特に第一次産品輸出に大きなインパクトを残しており、第一次産品が通常の在庫に戻るまでには、2~3カ月を要すると商工サービス省のWelber Barral元長官は説明している。
6月4日~10日の1日平均当たりの第一次産品輸出額は、国道封鎖抗議デモ中の3億3,560万ドルから67%増加の5億6,200万ドルに上昇、一方在庫調整が可能な完成品輸出は、3億4,940万ドルから14.2%増加の3億9,940万ドルであった。
国道封鎖抗議デモの影響に以外にも、今年初めから輸出の増加率の減少並びに輸入の増加率の上昇による貿易収支減少傾向が表れていたと産業開発研究所(Iedi)エコノミストのラファエル・カグジン氏は指摘している。
2017年11月~今年1月の1日平均当たりの輸出額は前年同期比1.1%減少、今年2月は5.4%減少に拡大、3月は12.4%減少、4月は20.5%減少、5月は16.5%減少、6月は21.3%減少していた。
今年上半期の1日平均当たりの平均輸出額は5.7%増加に対して、輸入額は3倍に相当する17.2%増加して、貿易収支黒字縮小が鮮明になってきているとラファエル・カグジン氏は説明している。
今年6月の第一次産品輸出総額は前年同月比0.3%減少の95億6,000万ドル、半完成品は2.7%減少の29億1,000万ドル、完成品輸出は7.26%増加の72億6,000万ドルを記録している。
また今年6月の資本財輸入は前年同月比33.8%増加の16億9,000万ドル、中間財は13.2%増加の89億2,000万ドル、消費財は20.8%増加の21億9,000万ドル、燃料・潤滑油輸入額は7.7%減少の15億1,000万ドルとなっている。(2018年7月4日付けヴァロール紙)