中銀の発表によると、2018年5月の経常収支は、5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で、輸出が大幅に減少して予想の25億ドルの黒字の僅か29.2%に相当する7億2,900万ドルに留まった。
今年5月の輸出は、トラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で前年同月比2.8%減少して2016年12月以降では初めて減少を記録したと中銀企画戦略部のフェルナンド・ロッシャ部長は説明している。
今年5月初め3週間の1日当たりの平均輸出金額は11億ドルであったが、5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモの影響で、最終2週間の1日当たりの平均輸出金額は、37%減少の6億7,100万ドルに留まった。
5月下旬から11日間継続した全国規模のトラック運転手の国道封鎖抗議デモは終息したにも関わらず、6月初めの2週間の輸出は、国道封鎖抗議デモによる物流体制の回復が遅れている影響を受けている。
今年初め5か月間の経常収支は、40億2,000万ドルの赤字を計上しているにも関わらず、海外投資家による製造業部門向け対内直接投資が233億ドルの黒字を計上して、経常収支赤字を大幅にカバーしている。
5月の海外旅行のサービス収支では、ブラジル人による国外での支出は、レアル通貨に対する6.66%のドル高の為替の影響も受けて、今年初め4か月間平均の前年同月比11.0%増加を下回る8.0%増加に留まっている。
ブラジル全国工業連盟(CNI)の調査によると、今年5月の設備稼働率は、国道封鎖抗議デモの影響を受けて、前月比3.0ポイント減少の63ポイントと2011年の調査開始からでは最低の設備稼働率に落ち込んでいる。
また今年5月の製造業部門の平均在庫指数は、国道封鎖抗議デモの影響で大半の産業部門の物流に問題が発生した影響で、53.3ポイントと50ポイントを上回って過剰在庫を記録している。(2018年6月26日付けヴァロール紙)