ヨーロッパ連合は、ブラジル食肉最大手のブラジル・フーズ社(BRF)を中心としたブラジル国内の20鶏肉加工工場の鶏肉輸入停止措置の発表に続いて、ブラジルの魚類輸入禁止措置を連邦政府に通達している。
ブラジル農牧・食料供給省では、昨年下半期にブラジルとEU間で食品安全基準に関する意見の相違で、今年初めからヨーロッパ連合向け魚類の輸出を一時中止していた。
昨年9月のEUによる調査で、要求されていた改善策が実施されていなかったことが判明、またブラジル国内の脆弱な検査システムに懸念を示し、また欧州委員会は、特に漁船の品質に関わる部分でブラジルの漁業システムには重大な欠陥があると指摘していた経緯があった。
ルイス・ランジェル農務相(Luis Rangel)は、今年5か月間で食品安全基準チェックのための検査システム改善を行って、ヨーロッパ連合向けの新しい輸出許可を受けた企業もあると説明している。
昨年ブラジルからヨーロッパ連合には、前年比26.0%減少の2,400万ドルの魚類を輸出したものの、9億5,200万ドルの食肉輸出総額とは比較にならないぐらいの輸出金額に留まっている。
連邦政府はすでにヨーロッパ連合の鶏肉輸出に関して、世界貿易機関(WTO)に不当なセーフガードとしてパネル設置を要請している。(2018年5月17日付けエスタード紙)