米商務省は、先月中旬にブラジルや韓国を含む20カ国以上に及ぶ輸入鉄鋼製品に対して、高率関税賦課や輸入量を制限する方案を発表、トランプ大統領は前週、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針を表明していた。
しかしトランプ大統領は、今週月曜日にカナダとメキシコについて、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が妥結した場合にのみ適用除外とすると発表。今日8日に輸入関税を命じるトランプ大統領布告に署名が予定されている。
昨日7日に、マルコス・ジョルジェ・リマ商工相は、米国貿易担当のWilbur Ross長官宛てに、カナダ並びにメキシコ同様にブラジルを輸入制限適用から除外する要請書簡を送っている。
欧州連合(EU)は、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動する署名を8日にすれば、28億ユーロ規模の米国製輸入製品に対する報復措置をすると発表。鉄鋼製品に加えて鉄鋼以外の工業製品や農産品など3分野で、25%程度の輸入関税を検討している。
欧州連合(EU)は、鉄鋼製品やアルミ製品を米国向けに輸出しているカナダ並びに中国、ブラジルが欧州連合(EU)への輸出に切り替えることを警戒しており、それに伴ってブラジルのEU向け鉄鋼製品並びにオレンジジュース、繊維製品、履物、タバコがセーフガード発令による影響を受ける可能性がある。
トランプ米大統領が鉄鋼やアルミの輸入品に追加関税を課す方針発表に対抗して、欧州連合(EU)は今月2日に、対抗策としてハーレーダビッドソンのバイクやバーボンウイスキー、リーバイスのジーンズなどに輸入関税をかける用意があると明言していた。
ブラジルのオレンジジュース輸出の70%は欧州連合(EU)向けであり、また革靴、たばこなどの輸出比率も高いために、欧州連合(EU)がセールガードを発令すれば非常に大きな影響を受けると予想されている。(2018年3月8日付けエスタード紙)