中国向け鉄鉱石並びに石炭の国際コモディティ価格の上昇に伴って、バルチック海運取引所(Baltic Exchange)の外航不定期船の運賃指数であるバルチック海運指数(Baltic Dry Index)が過去4年間で最高となって影響を受けて、穀物取扱の貿易会社では、穀物輸送費上昇による収益悪化を余儀なくされている。
特に中国向け鉄鉱石並びに石炭需要拡大に伴って、主に鉄鉱石を運ぶ大型ばら積み船のケープサイズ(載荷重量約17万トン)の平均用船料高騰の影響で、穀物商社の収益悪化で悪影響を及ぼしている。
特に中国を中心とした太平洋航路向けのケープサイズの大型ばら積み船の需要逼迫で、主に大西洋路線向け穀物輸送用のPanamax(6.5- 10万トン)並びにHandymax(4.0-6.4万トン)、Handysize(1.0-4.0万トン)の傭船料の値上がりに結び付いている。
現在のバルチック海運取引所(Baltic Exchange)のバルチック海運指数(Baltic Dry Index)は、鉱物資源の輸送需要拡大に伴って1127ポイントまで上昇、過去4年間で最高を記録している。
今年初め11カ月間の世界の鉄鉱石並びに石炭の貿易量は、前年同期比5.3%増加の26億9000万トンに達しているが、約50%はアジア向け輸送であるとClarkson Research Services社は説明している。
ケープサイズの大型ばら積み船の平均傭船料は僅かに3.2%増加したにも関わらず、アジア向けの鉱物資源の輸送需要拡大に伴って、穀物輸送用のHandysize(1.0-4.0万トン)の傭船料まで上昇している。
今年の世界の穀物ストックは過去5年間連続で増加、現在の穀物ストック量は7億2600万トンに達して過去の記録を更新しており、また穀物輸入会社は、傭船料の安い国からの穀物輸入に切り替えている。(2017年12月12日付けヴァロール紙)