ブラジル政府は、インドネシア政府がサニタリー関連問題などでブラジル産鶏肉輸入を規制していると世界貿易機関(WTO)に国際貿易協定に違反していると指摘してパネル設置を要請して提訴していた。
ブラジル政府は、インドネシアによる鶏肉の輸入にかかる措置について,2009年から関税及び貿易に関する一般協定並びに輸入許可手続,衛生植物検疫措置適用,貿易の技術的障害に関する協定等との整合性で国際貿易違反の申立てを行っていた。
世界貿易機関(WTO)は、インドネシア政府に対してブラジル産鶏肉輸入に対するセーフガード撤廃を指摘しており、インドネシア政府がブラジル産鶏肉輸入を開始すれば年間7,000万ドル~1億ドルの輸出拡大につながるとブラジル動物蛋白質協会(ABPA)では予想している。
インドネシアの人口は、2億6,400万人で世界4位の人口大国であるにも関わらず、一人当たりの年間鶏肉消費は、僅かに6キログラムで世界平均の20キログラムを大幅に下回っているために、ブラジル産鶏肉輸入許可開始でポテンシャルが大きな市場開拓に繋がる。
人口の87%がイスラム教のインドネシア向け鶏肉輸出は、イスラム法上で食べることが許されている食材や料理を指すハラール処理施設を擁していることが不可欠であり、ブラジルは、すでに年間180万トンに達する鶏肉をイスラム圏に輸出している。
インドネシア政府は、今後6カ月間以内に世界貿易機関(WTO)に対して反論することが許可されている。ブラジルの2016年の鶏肉輸出総額は59億5,000万ドル、輸出相手国トップはサウジアラビアで輸出全体の19.0%を占め、2位は中国の14.0%、3位は日本の12.0%、アラブ首長国連邦の8.0%、香港は6.0%を占めていた。(2017年10月18日付けエスタード紙)