記録的な生産の農産物輸出、好調に推移する鉄鉱石や石油の国際コモディティ価格、毎年赤字を記録していた石油の貿易収支が黒字に転じた要因などで、2017年上半期の貿易収支は362億ドルの黒字を計上して、統計を取り始めた1989年以降で記録更新したとブラジル商工サービス省(MDIC)では発表している。
2016年の貿易収支は475億ドルの黒字を記録、ブラジル商工サービス省(MDIC)では、今年の貿易収支黒字を前回予想の550億ドルから600億ドルに上方修正している。
昨年上半期の石油派生品の貿易収支は、9億5,700万ドルの赤字を計上していたにも関わらず、今年上半期の1日当たりの岩塩層下(プレソルト)原油の生産が106万7,000バレルに達して、石油派生品輸出は前年同期比106%増加している。
Rosenberg Associados社では、今年の貿易収支を前回予想の600億ドルの黒字から680億ドルに上方修正、前記同様にMacroSector社でも470億ドルから520億ドルの黒字に上方修正している。
今年上半期の輸出総額は前年同期比19.3%増加の1,077億ドル、輸入総額は7.3%増加の715億ドルを記録、輸出入ともに増加して持続的成長の兆候となっている。
輸出では第一次産品並びに完成品、半完成品とも前年比増加、輸入では中間財並びに消費財、石油・潤滑油セクターがそれぞれ増加したが、唯一製造業部門の景気のバロメーターとなる資本財セクターが減少に転じて景気回復が遅れている。
今年6月の第一次産輸出は95億9,000万ドル、今年上半期では前年同期比28.5%増加、前記同様に完成品輸出は67億5,000万ドル、16.1%増加、半完成品輸出は29億9,000万ドル、28.2%増加となっている。
今年6月の資本財輸入は12億6,000万ドル、今年上半期では前年同期比マイナス50.5%、中間財は78億7,000万ドル、13.6%増加、消費財は18億2,000万ドル、7.6%増加、石油・潤滑油セクターは62.4%大幅に増加している。
今年上半期のアルゼンチン向け輸出は、自動車セクターが牽引して前年同期比27.1%増加の83億ドル、輸入は小麦並びにトウモロコシ、トラックなどを中心に8.8%増加の46億ドルとなっている。(2017年7月4日付けヴァロール紙)