第一次産品の国際コモディティ価格が好調に推移して輸出金額が増加した影響で、5月の貿易収支は76億6,000万ドルの黒字を計上、統計を取り始めた1989年以来では記録を更新したとブラジル商工サービス省(MDIC)は発表している。
また今年初め5か月間の貿易収支は、前年同期比47.5%増加の290億3,000万ドルの黒字を計上、特に第一次産品の国際コモディティ価格上昇に伴って平均輸出金額は前年同期比19.7%増加している。
5月の輸出総額は前年同月比7.5%増加の197億9,000万ドルを記録した一方で前月比では8.4%減少、前記同様に5月の輸入総額は、4.0%増加の121億3,000万ドル、前月比では7.4%減少している。
また今年初め5か月間の輸出総額は前年同期比18.5%増加の879億3,000万ドル、輸入総額は8.4%増加の589億ドル、最近の完成品輸出増加は、ドル安の為替の影響を受けているとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。
5月の輸出総額197億9,000万ドルのうち付加価値の高い完成品輸出総額は、前年同月比1.2%減少の68億7,000万ドル、半完成品は16.4%増加の27億8,000万ドル、第一次産品輸出は、石油並びに鉄鉱石、大豆が牽引して11.6%増加の97億ドルとなっている。
また5月の輸入総額122億3,000万ドルのうち資本財は20.7%減少の11億8,000万ドル、中間財は1.5%増加の75億ドル、消費財は20.2%増加の21億ドル、燃料・潤滑油は30.2%増加の13億4,000万ドルとなっている。
今年初め5か月間の経済が好調に推移しているアルゼンチン向け輸出総額は、前年同期比23.6%増加の62億ドルに達しており、ブラジルの貿易収支は30億ドルの黒字を計上している。
しかし5月の1トン当たりの鉄鉱石輸出価格は、前月比30.3%減少したものの前年同月比では依然として19.2%高く、また今年4月の鉄鉱石価格は前年同月比103.5%高かった。
ブラジル商工サービス省(MDIC)輸出戦略担当のエルトン・ブランドン取締役は、今年のブラジルの貿易収支は穀物生産の記録更新予想で550億ドルを上回ると見込んでいる。(2017年6月2日付けヴァロール紙)