ブラジル商工サービス省(MDIC)の発表によると、3月の貿易収支は、『Operação Carne Fraca』(規格外混入食肉作戦)で発覚した食肉偽造事件にも関わらず、鉄鉱石や原油の国際コモディティ価格上昇が牽引して71億4,000万ドルの黒字を計上、1989年から統計を取り始めて以来の黒字記録を更新している。
3月の輸出総額は前年同月比20.1%増加の200億8,500万ドル、輸入総額は僅かに7.1%増加の129億4,000万ドル、今年初め3か月間の輸出総額は504億7,000万ドル、輸入総額は360億4,000万ドル、貿易黒字は144億2,000万ドルで昨年同期の83億9,000万ドルの約2倍に達している。
3月の貿易収支は予想の65億ドルを大幅に上回り、今年の貿易収支を前回予想の400億ドルから600億ドルと大幅な上方修正をローゼンベルグ・アソシアードス社エコノミストのラファエル・ビスタファ氏は行った。
3月の鉄鉱石の国際コモディティ価格は前年同月比149.6%、原油の国際コモディティ価格も94.2%それぞれ高騰して今後もコモディティ価格は高値を維持すると予想、また大豆生産も予想を大幅に上回っている。
コンサルタント会社テンデンシアス社エコノミストのシルヴィオ・カンポス・ネット氏は、下半期には輸出減少並びに国際コモディティ価格調整などの要因で、今年の貿易収支黒字は、前回予想の477億ドルから507億ドルと30億ドルの上方修正にとどめている。
3月の輸出総額が前年同月比20.1%増加した要因として第一次産品輸出が29.7%増加、今年初め3か月間の輸出は20.4%増加、第一次産品輸出は34.7%増加して輸出を牽引している。
貿易相手国トップの中国への今年初め3か月間の輸出は、前年同月の15億2,000万ドルから59億7,000万ドルと約4倍近い増加を記録した一方で、中国からの輸入は僅かに1.9%増加に留まっている。
今年初め3か月間の中国向け輸出では、大豆並びに鉄鉱石、原油が牽引、鉄鉱石輸出は147.6%、原油輸出は171.7%とそれぞれ大幅に増加、大豆輸出も35.6%増加していた。
今年初め3か月間のアルゼンチン向け貿易収支は、自動車が36.9%並びにトラックが62.7%のそれぞれ輸出増加したため、前年同月の11億ドルから16億9,000万ドルの黒字を記録しているとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。
3月のブラジルの完成品輸出は前年同月比12.3%増加の72億ドル、今年初め3か月間では8.1%増加、また3月の原油の貿易収支は22億9,000万ドル、輸出が64億2,400万ドル、輸入が41億3,500万ドルであった。
3月の輸出総額は前年同月比20.1%増加の200億8,000万ドル、そのうち第一次産品は29.7%増加の100億1,000万ドル、工業製品は11%増加の96億1,000万ドル、そのうち半完成品は7.4%増加の23億7,000万ドル、完成品は12.3%増加の72億4,000万ドルであった。
また3月の輸入総額は前年同月比7.1%増加の129億4,000万ドル、資本財はマイナス10.5%の14億2,000万ドル、中間財は10.6%増加の80億9,000万ドル、消費財は1.0%増加の20億3,000万ドル、燃料・潤滑油は14.4%増加の13億4,000万ドルであった。(2017年4月4日付けヴァロール紙)