2017年の連邦政府の財政プライマリー収支赤字を1,390億レアル以内に収めるために、連邦政府では580億レアルの歳出削減に迫られており、エンリケ・メーレーレス財務相は増税の可能性を示唆している。
しかしブラジルは2年以上継続していた経済リセッションからの脱出の可能性が見え出した現在、増税による歳入増加は企業経営者の投資意欲をそぐために、優遇税制の見直しを多くのアナリストは指摘している。
連邦政府による企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率免税に対応する売上の数%課税の代替減税政策は、連邦政府にとっては歳入減少だけで雇用創出にはつながるか効果がなく、今年の社会保障院への積立金は、160億レアルの減少に繋がるとローゼンベルグ・アソシアードス社エコノミストのラファエル・ビスタファ氏は指摘している。
ガソリン並びにディーゼル燃料に対する社会統合基金/社会保険融資納付金(PIS/COFINS)の増税は、国会での承認を得ることなく大統領の一任で可能であるとMCM Consultores社カロリーナ・サト氏は指摘している。
2017年の連邦政府による減税政策として、零細・小企業向け簡易税務申告制度(Simples Nacional)による減税総額は829億9,000万レアルが見込まれており、次いでマナウスフリーゾーン向け税制優遇政策は256億レアルが予想されている。
また教育並びに保健、社会福祉事業などの慈善事業団体向け減税政策では245億レアル、個人所得税(IRPF)向け減税は241億レアル、基本食料バスケット関連減税は238億レアル、企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率免税に対応する売上の数%課税の代替減税政策は170億レアルとなっている。
セクター別の社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の免税として、基本食料バスケット関連向けセクターは89億レアル、食品・飲料セクター35億レアル、ロディスティックセクター29億レアル、ガソリン・エタノールセクター27億レアル、保健セクター26億レアル、農業セクター24億レアル、建設セクター22億レアル、電機セクター16億レアル、自動車セクター10億レアル、その他は9億レアルとなっている。(2017年3月28日付けヴァロール紙)