3月中旬に『Operação Carne Fraca』(規格外混入食肉作戦)で発覚した食肉偽造事件では、農畜産省(APA)の職員が賄賂を受け取って、衛生検査を行わずに許可証の発行疑惑、食用期限切れを隠すための化学薬品使用、増量のための水注入、ダンボールや期限切れ食肉の混入など発覚して国際的な信用が下落している。
Operação Carne Fraca』(規格外混入食肉作戦)事件では、連邦警察は38人を逮捕、77人を強制連行、194件の押収令状を取得して1,100人の捜査官を関係各州に派遣、また農畜産省では33人の職員の停職、畜産会社の3拠点の操業停止のニュースでブラジルの食肉輸出先の中国並びにヨーロッパ連合諸国、韓国、チリは輸入禁止に相当する措置を発表、ブラジルの食肉輸出への影響が憂慮されている。
しかし中銀の今年の最終貿易バランスの発表によると、食肉偽造事件発覚で貿易全体の6.0%を占める食肉輸出は多少影響を受ける一方で、農産物や鉄鉱石などの国際コモディティ価格上昇で食肉輸出の減少分をカバーすると予想している。
中銀では今年の輸出総額を前回予想の1,950億ドルから2,000億ドルに上方修正、前年比では150億ドル増加すると予想、今年の食肉輸出は120億ドルを下回ると予想している。
今年2月の農産物や鉄鉱石などの国際コモディティ価格は前年同月比20%上昇、特に1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は85ドルに達しており、5カ月前の60ドルに対してすでに40%も上昇している。
今年の輸出総額は2,000億ドル、昨年は1,844億ドル、また今年の輸入総額は1,490億ドル、昨年は1,394億ドル、今年の貿易収支黒字は510億ドルで昨年の450億ドルを60億ドル上回ると予想している。
前記同様に今年のサービス部門収支は367億ドルの赤字、昨年は304億ドルの赤字を計上、海外旅行収支は125億ドルの赤字、84億ドルの赤字、輸送部門はそれぞれ52億ドル、37億ドルの赤字、機械・装置の賃貸料収支はそれぞれ195億ドルの赤字、外資系企業の本国への利益・配当金送金は265億ドル、194億ドルとなっている。
また今年の海外投資家による対内直接投資総額は750億ドルと昨年の789億ドルから若干減少すると予想、今年の経常収支は300億ドルと昨年の235億ドルから赤字が上昇するが、750億ドルの対内直接投資総額が経常収支赤字を十分にカバーする。(2017年3月25日付けエスタード紙)